人口減少が続く日本、他人事だと思っていた外国人採用について少しずつ考え始めている方も増えているのではないでしょうか。
今後はあらゆる業種において、外国人労働者の受け入れ準備を進める必要性が高まっています。

今回は、外国人雇用で必要となる書類のひとつ「身元保証書」について、その概要や書き方のポイントをご紹介します。

身元保証書の書き方を見る前に

誤りのない手続きを進めるために、まずは「身元保証書」の要点を理解することが重要です。
身元保証書の基盤となる、保証人に関する取り決めについて、ここでは確認しましょう。

身元保証書って何?

「身元保証書」とは、在留資格(主に身分・地位に関する在留資格)を所得する際、または更新や変更の際に必要となる外国人の日本における「身元を保証する」証明書です。

この「身元を保証する」役割を果たす人を「身元保証人」といいます。
つまり在留資格認定書を取得する上で、申請する外国人の日本における生活において「身元保証人」が確かにいることを証明する書面が「身元保証書」なのです。

「保証人」という言葉を聞くと、法的責任を伴うものに聞こえます。しかし実際は法的責任を一切負わず、道義的責任として、つまり「人としての正しい道を守るべき責任」を負うに留まります。

つまり連帯保証人のように、「本人が支払えないものを代わりに支払う義務」などはありません

在留資格申請で外国人にも身元保証書は必要!?

身元保証書が必要となるのは、在留資格の申請や、更新・変更手続きを行う際です。外国人が日本に入国して合法的に滞在するためには、期間や目的を問わず「在留資格」の取得が必要になります。
現在(2023年9月時点)は在留資格は全部で29種類あります。
大きくは「活動制限の少ない身分または地位に基づく在留資格(居住資格)」と、「活動内容や在留期間などの制限を受ける在留資格(活動資格)」の2種類に分けられます。

このうち身元保証書が必要となるのは、身分・地位に関する在留資格を申請する際です。
これに対して、就労系の在留資格を申請するには、身元保証書(身元保証人)は必要ないことが多いです。

「身元保証書」で証明する内容は、申請する外国人の下記3つの内容を保証する身元保証人が存在していることです。

  1. 滞在費
  2. 帰国旅費
  3. 法令の遵守

本人の日本滞在中に何か問題があっても、滞在費そして本国への帰国旅費を保証し、また日本での法令を遵守すべくサポートをします、と保証することを意味します。
書面では身元保証人の、氏名、住所、職業(勤務先)、国籍(在留資格・期間)、本人との関係、を記載することを理解しましょう。

外国人労働者の身元保証人は誰がなる?

原則として、身元保証人になるための条件として定められているのは、「日本国籍を有する、もしくは日本での在留資格を有すること」ということで、細かい条件は存在しません。

また法的責任を一切負わず道義的責任を負うものということで、「誰でもいい」かのようですが、身元保証人自身の生活の維持に問題がある場合や、素行などに問題がある場合、身元保証人としては不適当と判断される可能性もあります。

就労ビザ申請時、これから日本に入国するなど、日本で保証人となる人物がいないことも多く、実際には企業の社長や採用担当者が身元保証人になることも多いです。

一方で配偶者が日本人である場合は、身元保証人はその配偶者がなるのが一般的。
就労ビザを更新する際に、入社時は企業が身元保証人だったけれど、その後日本で日本人と婚姻関係になり、更新時に配偶者を身元保証人に変更するのもケースとしては多いです。

外国人労働者の身元保証書の書き方

「身元保証書」の概要を理解したところで、ここからは実際の外国人労働者の「身元保証書」の書き方を細かく確認しましょう。
在留資格認定証の手続きの一環となる重要な書面なので、法務省ホームページの該当部分を確認して、細心の注意を払って作成することが重要です。

フォーマットは?

身元保証書のフォーマットはこちらです。

画像引用:法務省ホームページ

申請に使用する書式はこちらのページで入手できます。

では、ポイントを確認しておきましょう!

  • 日付:西暦・元号どちらでもOK
  • 国籍:正式な国名を記載(中国、など略称は不可)
  • 氏名:パスポートの表記と同じ書き方で記載
  • 身元保証人氏名:必ず自筆で署名
  • 印鑑:認印でOK(シャチハタ以外)
  • 住所:身元保証人の住所を記載
  • 電話番号:自宅電話でも携帯電話の番号でも、どちらでもOK
  • 職業:身元保証人の職業を記載(会社員、自営業、無職など)。また、勤務先の電話番号も記入
  • 国籍:日本人ならば「日本」と書きその他は空欄。永住者の場合は、「アメリカ合衆国(永住者)」のように記載
  • 身元保証人との関係:「雇用主」「職場の上司」「夫」「友人」のように記載

身元保証書は申請書類の一部になるので、誤記があった場合は新たに書き直しましょう。
修正テープなどを使用して修正をしていると、不受理になる可能性があります。

正確な記載をするよう留意しましょう!

書き方の具体例をチェック!

ここでは先ほど確認したポイントをもとに、実際の書き方の例を確認しましょう。

国籍を正式名称で記載する点や、それぞれの項目の書き方を実際の例で確認できましたか?これで必要な書類がどんなものか明確にイメージできたのではないでしょうか。

外国人の身元保証書について理解は深まりましたか?

身元保証書は在留資格の手続きなどで、重要な資料です。
ただし身元保証書は、「日本の民法上の保証人」とは意味合いが違うため、「道義的責任」にとどまるケースが多いです。
日本で働くことを規模している外国の方にも、この点を正しく理解してもらいましょう。

他にも知っておきたい外国人採用の基礎知識は?

外国人採用について基礎的なことを知っておきたいという方に、役立つ情報をまとめています。

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