外国人の面接で何を聞く? 質問例7選と注意点、フォロー手順まで解説!
外国人の面接は、入社後のミスマッチを防ぐためにとても大切なステップです。
在留資格や働ける条件などを事前に確認したうえで、相手の文化的な背景にも気を配りながら、その人の実力を正しく見きわめる質問を考える必要があります。
この記事では、外国人と面接するうえで知っておきたい準備のコツや質問の例、注意すべき点を紹介します。
外国人の面接前にチェックしておくこと
外国人の面接では、日本人の面接と同じようにスキルや人柄を見るだけでなく、法律にもとづく特別な確認が必要です。
これは、本人も会社も知らないうちに法律を破ってしまう「不法就労」というトラブルを防ぎ、安心して仕事を任せるために欠かせないステップでもあります。
面接当日のやり取りがスムーズになるよう、事前の確認をしっかり行いましょう。
ビザ(在留資格)の種類と期限
日本で外国人が働くためには、活動内容に合った「ビザ(在留資格)」を持っていることが大前提です。
ここを間違えると、どれだけ優秀でも採用にはつなげられません。
まずは履歴書や職務経歴書を見て、現在どのような資格で日本に滞在しているのかを確認しましょう。
- 現在の在留資格の種類
- その資格で自社の業務に就けるかどうか
- 在留期限(日本にあとどのくらい滞在できるか)
- 今後、資格の更新や変更が必要かどうか
なお、在留カードの提示を面接時に求めることは、公平な採用を守るうえで避けたほうがよいとされています。
面接や書類選考では、あくまでも履歴書や本人の話から必要な情報を確認するようにしましょう。
おもな在留資格の種類と特徴
| 区分 | 種類 | 就労の条件と特徴 |
| 就労系ビザ | 技術・人文知識・国際業務 特定技能 高度専門職 企業内転勤 など | 業務内容が限られ、職種と一致している必要がある |
| 身分系ビザ | 永住者 日本人の配偶者等 永住者の配偶者等 定住者 | 原則として制限なく、日本人と同じ条件で働ける |
| 制限付きビザ | 留学 家族滞在 特定活動(ワーキングホリデーなど) | 基本的にフルタイム勤務はできず、週28時間以内などの制限がある |
働ける時間(週28時間のルールなど)
持っている在留資格の種類によっては、働ける時間に厳しい制限があります。
たとえば「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ外国人は、原則として「資格外活動許可」を得たうえで、週28時間以内しか働けません。
この時間を超えて働かせてしまうと、会社も罰則を受ける可能性があるため、非常に重要なポイントです。
以下に、おもな在留資格ごとの勤務条件を整理しました。
| 在留資格 | 就労条件 |
| 留学 | 資格外活動許可があれば、週28時間まで勤務可(長期休暇中は週40時間) |
| 家族滞在 | 資格外活動許可があれば、週28時間まで勤務可 |
| 特定活動(ワーキングホリデーなど) | 労働時間、雇用形態の取り決めなし |
| 文化活動 | 原則として就労不可。ただし一部で短時間の就労が認められることもある |
また、複数のアルバイトをしている場合は、すべての勤務時間を合計して週の労働時間を超えていないかにも注意が必要です。
シフト希望や働ける曜日を事前に確認し、ルールの範囲内で働けるかどうかをチェックしておきましょう。
これまでの仕事とビザの関係
外国人が就労系のビザで働く場合、「学歴やこれまでの経歴」と「これから任せる仕事の内容」がつながっている必要があります。
大学で学んだことや過去の職歴が、自社の業務内容とまったく関係がない場合、ビザの変更や更新が認められないケースもあります。
そのため、書類選考の段階で「これまでどんな仕事をしてきたか」「どんなスキルを持っているか」を確認し、自社の仕事内容と合うかを慎重に判断しましょう。
もしビザの変更が必要な場合は、入社までにどれくらいの期間がかかりそうかを見込み、行政書士などの専門家に相談しながらスケジュールを立てておくと安心です。
外国人の面接で注意するポイントは?

ここからは、面接当日のコミュニケーションで気をつけたいポイントを説明します。
お互いにリラックスし、本音で話せる雰囲気をつくることが大切です。
文化の違いを理解し、配慮する
国が変われば、面接のマナーや考え方も大きく異なります。
たとえば、日本では「面接の前にコートを脱ぐ」「下座に座る」といった細かいマナーがありますが、これを知らないからといって「常識がない」と決めつけてしまうのはもったいないことです。
また、文化によっては「自分の意見をはっきり言うこと」がよいとされる国もあれば、控えめな態度が好まれる国もあります。
相手の行動の背景にある文化を想像し、緊張をほぐすアイスブレイク(緊張を解く会話)を取り入れることで、応募者の本来のよさを引き出しやすくなります。
「やさしい日本語」で話す
面接官が使う日本語が難しすぎると、応募者が本来の力を発揮できないことがあります。
難しい敬語や専門用語を避け、短くはっきりした文章で話す「やさしい日本語」を意識しましょう。
| 難しい表現 | やさしい言い換え |
| 弊社を志望された動機をお聞かせください | なぜ、この会社で働きたいと思いましたか |
| 業務内容に齟齬はありませんか | 仕事の内容は、わかりますか(イメージと合っていますか) |
| 支障がある場合はお申し出ください | 困ることがあれば、教えてください |
| 五月雨式に失礼します | いくつか続けて質問しますね |
| シフトはフレキシブルです | 休みの希望を聞いて、1か月ごとにシフトを決めます |
相手が理解しているか不安なときは、「ここまでの話で、わからないことはありませんか」と確認するのもひとつの配慮です。
聞いてはいけないNG質問
面接では、聞かないほうがよい質問があります。
理由はシンプルで、採用に関係のないことを聞くと、就職差別につながるおそれがあるからです。厚生労働省も、採用選考で配慮すべき事項として具体例を示しています。
たとえば、次のような適性や能力と関係しにくい情報は避けましょう。
- 本籍・出生地
- 家族のこと
- 宗教
- 思想 など
迷ったときのコツは「この質問は、仕事の成果に直結するか」と自分に聞くことです。
直結しない場合は、聞き方を変えてみてください。
たとえば家庭の事情を探るのではなく、「勤務できる曜日や時間に制約はありますか」のように働き方の確認に置き換えると安全です。
言語スキル(日本語・英語)を正しく測るコツ
面接では、日本語と英語、それぞれのスキルを確認しておくことが大切です。
とくに英語を使う仕事や外国人対応がある職場では、履歴書の記載だけで判断せず、実際の会話を通してレベルを見きわめましょう。
スキルの目安としては、以下のような指標があります。
| 試験名 | 目安レベル | 説明 |
| TOEIC | 700点以上 | 海外とのやり取りや商談にも対応できる |
| 英検 | 準1級以上 | 日常会話やビジネス文書を作成できる |
| JLPT(日本語能力試験) | N2以上 | ビジネスで使う日本語も理解できる |
| JLPT(参考) | N4 | 基本的な日本語を理解できる(※特定技能1号の取得に必要なレベル) |
英語が得意でも、日本語の理解が不十分だと、職場でのやり取りに支障が出る場合があります。
そのため、短いロールプレイを取り入れ、実際の業務に近い会話ができるかを確認しておくとよいでしょう。
また、英語力が必要ない職種であれば、日本語スキルを中心に見るなど、職務内容に応じて評価基準を決めておくことがポイントです。
マナーが違っても慌てない
面接の約束をしていたのに、連絡なしで遅れたり、キャンセルになったりすることが稀にあります。
これは文化の違いや、日本のビジネスマナーに慣れていないことが原因かもしれません。
対策として、面接の前日に「明日の〇〇時にお待ちしています」とリマインドのメッセージを送るなどの工夫が有効です。
また、当日の態度が少しフランクに感じられても、それは親しみを込めている表れの場合もあります。
まずは広い心で受け入れ、自社の社風を丁寧に伝えていくことで、少しずつ日本のルールに馴染んでもらえるようサポートしていきましょう。
通訳やオンライン面接のポイント
通訳を介して面接を行う場合は、質問を短く区切り、通訳者が訳しやすいリズムで話すことが大切です。
また、オンライン面接では、通信トラブルや時差の問題が起こりやすいことも想定しておきましょう。
あらかじめ接続方法をまとめた簡単なマニュアルを送っておくと、応募者も安心して参加できます。
画面越しでは職場の雰囲気が伝わりにくいため、写真を見せたり、カメラでオフィスを映したりする工夫をすると、不安を和らげやすくなります。
外国人の面接でおすすめの質問例7選

外国人の面接でも、基本は日本人と同じで「一緒に働きたいか」を確認します。
文化や考え方の違いを知るため、以下のポイントを深掘りするのがおすすめです。
1. 日本の生活になじめるか?
日本での生活にストレスを感じていないかを確認することは、長く働いてもらううえで重要です。
本人が日本での暮らしを楽しめているか、周囲に相談できる人がいるかを知ることで、入社後の定着を見通しやすくなります。
おすすめの聞き方
- 「今の日本の生活で、困っていることはありますか?」
- 「休みのときは、いつも何をしていますか?」
- 「日本に来てから、一番驚いたことは何ですか?」
2. チームで協力して働けるか?
文化や言葉が違うメンバーと一緒に働くうえで、周りと協力しようとする姿勢は欠かせません。
自分の意見を伝えるだけでなく、相手の話を聞き、歩み寄れるかを過去のエピソードから探りましょう。
おすすめの聞き方
- 「前の職場で、意見が合わなかったときはどうしましたか?」
- 「チームで仕事をするときに、大切にしていることはありますか?」
- 「年上の人や上司から注意されたとき、どう感じますか?」
3. 日本語はどれくらい話せるか?
単に言葉を知っているだけでなく、仕事の指示を正しく理解できるかがポイントです。
あわせて「なぜ日本に来たのか」という来日理由を深掘りすると、日本で働こうとする気持ちの強さも見えてきます。
おすすめの聞き方
- 「なぜ日本に来て、働きたいと思ったのですか?」
- 「この仕事で使う日本語に、不安なところはありますか?」
- 「日本語を勉強するために、普段からしていることはありますか?」
4. 英語や他の言葉は使えるか?
母国語や英語など、日本語以外のスキルが自社の業務にどう役立つかを確認しましょう。
履歴書の資格だけでなく、実際にどのような場面で使ってきたかを聞くことが大切です。
おすすめの聞き方
- 「仕事で英語を使って対応した経験はありますか?」
- 「母国語以外に、自信を持って話せる言葉はありますか?」
- 「海外のお客様と話すときに、あなたの言葉を使ってもらえますか?」
5. 仕事へのやる気はあるか?
「なぜ他の国ではなく日本なのか」「なぜこの仕事なのか」という、働く意欲の根っこを確認します。
日本に来た目的や、いつまで日本にいたいかを知ることで、仕事への熱量が自社の業務と合うかを見きわめやすくなります。
おすすめの聞き方
- 「この仕事のどんなところに、一番興味を持ちましたか?」
- 「あと何年くらい、日本にいたいと考えていますか?」
- 「日本で働いて、どんなことを実現したいですか?」
6. 長く働いてくれそうか?
採用にはビザの手続きなど、さまざまなコストがかかります。
本人が描く3年後、5年後の将来像が、自社で用意できる環境と合っているかを確認し、お互いに無理のない長期雇用を目指しましょう。
おすすめの聞き方
- 「3年後や5年後、会社でどんな人になっていたいですか?」
- 「この会社で、責任のある仕事にも挑戦してみたいですか?」
- 「将来、自分の国に帰って働く予定は決まっていますか?」
7. 自分のビザについてわかっているか?
本人が自分のビザ(在留資格)のルールを正しく理解しているかは、不法就労を防ぐためにも重要です。
現在の資格でできる仕事の内容や期限を、本人の言葉で説明してもらいましょう。
おすすめの聞き方
- 「今のビザで、この仕事ができることを知っていますか?」
- 「ビザの期限(いつまで日本にいられるか)はいつですか?」
- 「ビザの更新や変更について、不安なことはありますか?」
外国人からよく聞かれる「逆質問」
面接の最後には、必ず「何か質問はありますか?」と聞くようにしましょう。
外国人応募者は、日本人とは異なる不安を抱えていることがおおいため、それを解消できるかどうかが採用成功の分かれ目になります。
Q. ビザの更新や手続きのサポートはありますか?
外国人にとって、ビザは日本で生活するための命綱です。
「更新の手続きは会社がやってくれますか」「費用はどちらが負担しますか」といった質問は、面接でもよく聞かれます。
あらかじめ会社の方針を決めておき、「会社としてサポートします」と伝えられれば、応募者は安心して入社を検討しやすくなります。
Q. 給料はどのように上がりますか? キャリアアップの道はありますか?
多くの外国人応募者は、家族を支えたり、自分の将来を切り拓いたりするために、高い意欲を持って働いています。
そのため、「どうすれば給料が上がりますか」「将来はリーダーになれますか」といった質問も珍しくありません。
評価の基準や、実際に活躍している外国人社員の例を伝えることで、働くイメージを具体的に持ってもらいやすくなります。
Q. お祈りの場所や食べ物の相談はできますか?
宗教や文化によっては、一日のうちにお祈りの時間が必要だったり、食べられない食材があったりします。
「休憩時間にお祈りをしてもいいですか」「ハラール対応の食事はありますか」と聞かれたときは、まず相談に応じる姿勢を示しましょう。
できることと、できないことを正直に伝えることで、入社後のミスマッチや不満を防ぎやすくなります。
面接が終わった後のフォローはどうする?

面接が終わってから入社までのフォローは、辞退を防ぐうえでとても重要です。
「この会社なら安心して働けそうだ」と感じてもらえるよう、最後まで丁寧に対応しましょう。
仕事のルールをわかりやすく伝える
採用が決まったら、給与や勤務時間などの条件をあらためて、誰にでもわかる言葉で伝えましょう。
日本独特の残業の考え方や、給料から引かれる税金などは、あとからトラブルになりやすいポイントです。
口頭だけでなく文字にして渡すことで、認識のずれを防ぎ、信頼関係を築きやすくなります。
チェックポイント
- 給与、交通費、残業代のルールを具体的に説明する
- 休日や休憩時間、シフトの組み方を伝える
- 仕事で使う道具や、服装のルールを共有する
参考:出入国在留管理庁 在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン
これからの手続きを案内する
外国人の方が日本で働くためには、ビザ(在留資格)の確認や手続きが欠かせません。
ビザの種類によっては、入社前に役所や入管での手続きが必要になるため、スケジュールをはっきり伝えておきましょう。
「次はいつまでに何をすればいいか」をリストにして渡すと、初めて日本で働く方も準備を進めやすくなります。
チェックポイント
- ビザの更新や変更に必要な書類をリストアップして渡す
- 会社が行う手続きと、本人が行う手続きを分ける
- 入社日までのおおまかなスケジュールを共有する
不安なことがないか声をかける
新しい職場で働くことは、誰にとっても緊張するものです。
とくに外国人の場合、引っ越しや日本の生活ルールなど、仕事以外の悩みを抱えていることもあります。
「困ったことがあれば、いつでも聞いてくださいね」と声をかけるだけでも、不安は軽くなり、会社への安心感が生まれます。
チェックポイント
- 入社前に心配なことがないか、メールなどでこまめに連絡する
- 住む場所や生活環境について、困っていることがないか聞く
- 「一緒に働けるのを楽しみにしています」という気持ちを伝える
さいごに
外国人の面接は、最初は難しく感じるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば決して怖いものではありません。
大切なのは、言葉や文化の壁を超えて「一人の人間として向き合おう」とする姿勢です。 相手の不安に目を向けることで、自然と信頼が生まれ、よい出会いにつながります。
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