永住権保有者数は第2位|フィリピン人が就労制限なしで働ける理由
いまの日本では、377万人を超える外国人が暮らしています。そのうち約9%を占めているのが、フィリピン出身の方々です。
日本とフィリピンは昔から親しい関係にあり、国を越えて結婚する夫婦も多く見られます。
では、なぜ企業にとってフィリピン人の採用が有益なのでしょうか。
この記事では、在留資格のデータや実際の採用事例をもとに、その理由をわかりやすく紹介します。
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目次
【最新データ】在日フィリピン人の4割以上が永住権を持っている
令和6年末の時点で、日本に住む外国人は3,768,977人にのぼります。そのうちフィリピン出身の人は341,518人で、国籍別では第4位です。
この中で永住権を持つフィリピン人は141,798人。国籍別では永住者数が第2位にあたります。
永住者は在留期間に上限がなく、どんな仕事でも働けるのが特徴です。
つまり、在留資格の更新や活動内容の確認といった手続きが不要なため、企業にとって採用後の管理がしやすいという利点があります。
参考:出入国在留管理庁 令和6年末現在における在留外国人数について
就労制限がない「身分系」の在留資格はさらに多い
「身分系(居住資格)」とは、永住者のほかに「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」などを指します。これらはいずれも、働く内容に制限がない在留資格です。
出入国在留管理庁の発表によると、フィリピン出身の定住者は62,458人、日本人の配偶者等は26,300人となっています。
つまり、採用しやすい人材は永住者だけでなく、ほかの身分系資格を持つ人にも多いということです。
採用前には在留カードで資格の種類を確認し、「定住者」や「配偶者等」も就労が認められている点をおさえておきましょう。
実際にどんなフィリピン人材が応募しているの?
ガイダブルジョブスで求人を出した企業から寄せられた応募者の一例をご紹介します。
| 年齢・性別 | 在留資格 | 在日年数 | 保有資格 | おもな職歴 | 日本語(読み) | 日本語(会話) |
| 27歳・男性 | 定住者 | 12年 | 普通自動車免許 | 飲食店キッチン | 簡単な漢字は読める | 丁寧語を使える |
| 34歳・男性 | 永住者 | 19年 | 普通自動車免許 | 自動車部品の製造 | ひらがな・カタカナ可 | 丁寧語を使える |
| 41歳・女性 | 定住者 | 17年 | ー | 介護職(病院) | 漢字も上級レベル | 丁寧語を使える |
| 47歳・女性 | 定住者 | 25年 | ー | 介護職(老人ホーム) | 簡単な漢字は読める | 丁寧語を使える |
| 27歳・女性 | 日本人の配偶者等 | 1年 | ー | 弁当店アルバイト | ー | かんたんな会話可 |
このように「定住者」「永住者」「日本人の配偶者等」といった就労制限のない層が中心で、在日10年以上の人が多く見られます。
日本語での会話は丁寧語まで対応できる人が多く、勤務態度もまじめな傾向があります。
派遣社員として長期間働いたあと、契約満了をきっかけに新しい職場を探すケースも多く、安定して働ける人材が集まりやすいのが特徴です。
永住権をもつフィリピン人を採用するときのポイント
ここからは、実際に採用を進めるときに注意したいポイントを、わかりやすく整理して紹介します。
配属・就業制限の違い
在留資格によって働ける条件は異なります。
まずは、下の表で配属の自由度を確認し、求人内容を考えるときの参考にしてください。
| 在留資格 | 就労可否 | 在留期間 | 更新 |
| 永住者 | 可(制限なし) | 無期限 | 原則不要 |
| 日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/定住者 | 可(制限なし) | 6か月〜5年 | 必要 |
| 就労系(技人国・特定技能など) | 可(職務・業種に制限あり) | 3か月〜5年 | 必要 |
永住者は活動に制限がなく、どのような仕事にも就くことができます。
「配偶者等」や「定住者」も同様に制限はありませんが、定期的に在留期間の更新が必要です。
一方、就労系の資格では、在留資格の内容と実際の職務が一致しているかがとても重要になります。
求人票には仕事内容をできるだけ具体的に書き、面接では1日の流れを図や写真で伝えると安心です。
採用までの流れ

採用の進め方を、5つのステップに分けて見ていきましょう。
Step1:募集
求人票には「仕事内容・勤務時間・勤務地・給与」を短くわかりやすく記載してください。
日本語に加えて英語やタガログ語を併記すると、応募数が増えやすくなります。
また、電話・LINE・応募フォームなど、複数の連絡方法を用意すると、応募者が自分に合った手段を選びやすくなり、問い合わせの途中離脱を防げます。
Step2:書類確認・面接
在留カードの情報(資格名・在留期間・就労可否)は、履歴書に記載してもらうようにしましょう。
面接では、写真やイラストを使って仕事内容を説明すると、働くイメージがつかみやすくなります。
なお、本人確認書類の提出はこの段階では求めず、採用決定後の入社手続き時に確認します。
Step3:就労条件のすり合わせ
シフト、残業時間、休日、配属先などを具体的に話し合い、合意を得ましょう。
試用期間の評価方法やOJT(職場での実地研修)の有無も事前に伝えておくと、安心して働き始められます。
あわせて、実際の作業内容を文書化しておくと、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
Step4:雇用契約・労務手続き
契約書は日本語に加えて英語またはタガログ語でも準備しておくと安心です。
社会保険や36協定、就業規則の内容は、契約説明の中であわせて説明しましょう。
Step5:オンボーディング(入社後のサポート)
入社から1か月ほどのOJT計画を立て、担当者や相談窓口を共有しておきます。
安全衛生や作業手順は、ピクトグラムや写真を使って説明すると理解しやすいです。
また、評価のタイミングやフィードバック方法を明確にしておくことで、安心して働き続けやすくなります。
コンプライアンス対策
基本的な確認を丁寧にそろえるだけでも、後からの行き違いや手戻りを大きく減らせます。
とくに、次の点には注意しておきましょう。
- 身分確認・在留確認の定例化:入社時と更新時の両方でダブルチェックする
- 就業条件の明記:言語、勤務時間、時間外の上限、休日、試用期間などを明確に記す
- 個人情報の扱い:在留カードのコピーを保管するときは、管理ルールを決めておく
- 安全衛生・研修:外国語の安全掲示や多言語ハンドブックを整備し、事故を防ぐ
優秀なフィリピン人材の応募を集めるコツ

① タガログ語・英語を使った求人画像を活用する
タガログ語と日本語、または英語を組み合わせた求人画像は、SNSやLINEグループで広まりやすく、応募が増える傾向があります。
フィリピンの方は、文字よりも写真やビジュアルから情報を得ることが多いため「写真+短い説明」の方が伝わりやすいのです。
また、募集地域(例:Shizuoka、Azabudai Hills)や時給などの数字を大きく表示すると、求人の印象が強まり、応募意欲を引き出しやすくなります。
② 応募のハードルを下げる
応募のしやすさは、応募数に大きく影響します。
連絡手段は電話だけでなく、LINEや応募フォームなど複数用意しましょう。
とくにLINEで応募できるようにすると、「日本語で電話するのが不安」という人でも気軽に問い合わせができます。
既読確認や自動返信メッセージを設定しておくと、応募者が返信のタイミングを把握しやすくなり、安心感を持ってもらえるでしょう。
③ 日本語レベルを明確に伝える
求人票には「日本語:日常会話レベル」や「丁寧語が使える方」など、わかりやすい基準を記載します。
「KAILANGAN NANG CONVERSATIONAL LEVEL JAPANESE(会話レベルの日本語が必要)」のように、タガログ語で補足しておくのも効果的です。
求職者が「自分にもできそう」と感じやすくなり、応募への不安を減らせます。結果として、採用後のミスマッチも防げるでしょう。
④ 写真や動画で職場の雰囲気を伝える
文章だけでは伝わりにくい職場の雰囲気は、写真で見せるのがいちばんです。
制服や作業風景、店舗の様子などを掲載すると、職場のリアルなイメージが伝わります。
実際に、写真付きの求人は応募率が1.5〜2倍に上がるという傾向もあります。
明るく働く様子の写真は「ここなら安心して働けそう」という印象につながり、とくに家族を支えるために働く人たちの心を引きやすいです。
仕事内容を知ってもらうことが採用の近道?TikTok動画で応募数劇的アップ
実際にガイダブルジョブスでTikTok撮影サービスをご利用いただいた企業様では、ショート動画の活用により、応募数が大幅に増加しました。結果として優秀な人材の採用成功に繋がった事例がございます。
弊社のTikTok動画サービスを利用した場合の求人応募数は平均で1.5倍にアップしています。
(※エリアや給与、業務内容によって変わります)

具体的な成功事例や動画の活用戦略について、まずはお気軽にお問い合わせください。
⑤ 採用後につながる工夫を
応募から採用までの段階で安心感を与えることは、入社後の定着にもつながります。
たとえば、応募時から「外国語での案内」や「面接の流れ」「勤務開始後のサポート体制」を伝えておくと、働くイメージを持ちやすくなるでしょう。
「勤務初日は日本人スタッフが同行します」といった一言を添えるだけでも、応募者の信頼をぐっと高めることができます。
よくある質問

Q. 永住者と、ほかの身分系フィリピン人との違いは何ですか?
A. いちばん大きな違いは「在留期間」と「更新の有無」です。
- 永住者:在留期間は無期限で、原則として更新は不要。就労制限もありません。
- 配偶者等・定住者:在留期間は決まっており、一定の期間ごとに更新が必要です。ただし、どちらも仕事の制限はありません。
更新があるかどうかは、配属計画や人事の負担にも関わります。そのため、長期的に雇いたい場合は、永住者のほうが採用計画を立てやすいといえるでしょう。
一方で、「配偶者等」は結婚関係が続いている限り、基本的に更新が可能とされています。つまり、大きな不安要素は少ないと考えられます。
Q. 在留カードのどこを見れば「永住権」だと分かりますか?
A. 表面の「在留資格」欄に「永住者」と記載されています。
あわせて、氏名・生年月日・カード自体の有効期間も確認しておきましょう。
事前に法務省の資料でカードの形式をチェックしておくと、採用手続きの際に慌てずに済みます。
Q. 採用したフィリピン人が永住権を取りたいと言っています。企業としてどんな支援ができますか?
A. 特別な制度を設けるよりも、まずは「日常の整備」が大切です。
- 勤怠が安定しており、継続的に働いていること
- 税金・年金・健康保険の支払いを正しく行っていること
- 給与や仕事内容を辞令や契約書で明確にしていること
これらの3点は、永住権の審査で重視される「素行の良さ」「自立した生活」「社会への貢献」に関わる部分です。
行政書士などの専門家と連携しながら、会社として「当たり前の手続きがきちんと回っている状態」を保つことが、結果的に一番の支援になります。
永住権をもつ外国人材の採用は「ガイダブルジョブス」へ
永住権を持つフィリピン人は、在留期間に制限がなく、更新の手続きも必要ありません。
就労制限がないため、長く働ける人材を探す企業にとって、非常に心強い存在といえるでしょう。
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