警備会社でモンゴル出身の方が活躍中! 外国人採用で受け入れる側が気をつけることは?
〈会社紹介〉
会社名:株式会社唯心 警備事業部 さま
業種:警備
お話を伺った方:
金子 真樹さま (執行役員)
海野 正士さま (警備事業部 部長)
ナサンバヤル ガンバトさま 【出身国:モンゴル】
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ーーー仕事を始めてみてどうですか?
ガンバトさま:
むずかしいことはあまりないです。
みんなやさしいので、ムリなくやれています。
ーーー仕事は慣れてきましたか?
ガンバトさま:
おこられたりとかもあまりないので、みんないろいろ教えてくれるので、楽しくはたらけています。
仕事で使う、現場で使う言葉はなんとか覚えました。
覚えられないことも、現場の方でゆっくりと教えてくれます。
ーーー仕事はイメージどおりでしたか? なぜ警備の仕事をしたいと思ったんでしょうか。
ガンバトさま:
いちばんは時間ですね。
働きたいと思う時間にじゅうぶんに働くことができるので。
日本の方と接することも多いので、日本語がうまくなっていくのもいいなと思っています。
もともと警備に興味を持っていましたが、どうやってこういう仕事についているのかわからなくて、偶然友だちが知っていました。
最初はなんでこんなにひとが多くいるのかわかっていませんでしたが、周囲の人たちのためにやっているのだとわかりました。
みんなが少しずつ教えてくれたので、少しずつ警備がわかってきました。
金子さま:
ガンバトさんは、わからないことはたくさん質問してくれると現場からも聞いています。
ーーーすごく順調みたいですが、問題はなかったんですか?
金子さま:
最初は遅刻したこともあったけれど、最初だけでしたね。
ガンバトさま:
そうですね。(笑)
ーーーコミュニーケーションで困っていることはありますか?
海野さま:
現場ではスマホで翻訳もできるんですが、日本語でなるべくコミュニケーションするようにしてます。翻訳機に頼りきりになってしまうので。
ーーーモンゴルと日本での働き方のちがいはありますか?
ガンバトさま:
「仕事が始める30分前に来る」というのは、モンゴルでは文化的にないことなので最初は戸惑いました。
でも日本ではそれが当たり前なんだと気づいて、いまではもう遅刻はしないです。
ーーーもし周囲の方を誘う場合、どうやって今の仕事を紹介しますか?
ガンバトさま:
いっしょに働いている人がすごくやさしいです。
困ることはすくないので、すぐになれることができます。
金子さま:
現場がすこしずつステップアップして教えてくれているらしくて、こうやって言ってもらえて嬉しいですよ。涙がでちゃう。
会社でも「人を思いやる気持ち」というのが出てきて、日本人の従業員たちも彼らに教えることで成長していると思うし、ガンバトさんがきてくれて相乗効果が起きていて、すごくいいなと思っていますね。
日本人同士だと「あれ、やっといって」と適当なことをいって、説明をサボっているところがあったんだと気づかされました。
いま現場では改めてしっかりと説明する意識が出ていて、どんどんいい状態になってきていますよ。
ーーーやっぱり外国人の方が入って雰囲気が変わるんですね。
金子さま:
そうですね。これからも外国人の方を増やしていきたいので、ますます相互に影響があると思います。
個人的にはですけど、外国に行って、仕事を見つけて、研修を受けて、というのをやれるのがすごいと思いますね。
ガンバトさま:
日本にきて最初はすごく難しさを感じていました。日本人は英語も苦手だし、うまくコミュニケーションできなくて。
でもこの職場はとてもやさしい人が多いですよ。(笑)
ーーー金子さまからみて、ガンバトさんの印象はどうですか?
金子さま:
日本人は仕事であれこれ指摘することが多いから、彼が怖がってしまったらいやだなと思っていたけど、飄々としていていいですよね。
ーーーガンバトさんの履歴書もいっしょに書いていただいたそうですね。
金子さま:
そうですね。自分がもし外国で仕事を探しているときに、ひとりで放り出されたらつらいですからね。相手の立場に立つと、当たり前のことだと思いますけどね。
偏見はよくないですよね。「外国人」という文字もあまり好きじゃないですね。人でいいですよね。
ーーー企業さまの中には、「留学生ダメ」「履歴書ないとダメ」など、日本人と同じにできないとダメという方もいるなかで、唯心さまはすごく寛容ですよね。
金子さま:
わたしもそこまできれいな職歴という訳でもないので、アウトサイダーみたいなところがキャリアの最初にはありました。
そんななかで一緒に働いたピュアなアルバイトの高校生たちから影響を受けたりして、他人に生かされてきたような感じでした。
だから、アウトサイダーみたいなひとの立場に立って考える癖がついているのかもしれません。
ーーー外国人採用で大事なことはありますかね?
以前たくさんの中国人の方といっしょに飲食店をやっていたことがあったんですけど、おたがいにこころを開いたら、すごく経営が上向くという体験をしたことがあります。
このとき、思いが届けられたときに出る力って、すごいな、と思いましたね。
だから「思いを届けることの大切さ」に気づけていないと、きっと差別や区別をして、組織に一体感が出ないのかもしれませんね。
くるものは拒まず、なんでも答えなきゃ、というのが外国人の方を受け入れるときにも大切にしていることです。