接客業で思うように人が集まらず、人手不足になやまされている方が多くいるのではないでしょうか?

現在、コンビニや飲食店を中心としたあらゆるお店で、外国人による接客があたりまえとなりつつあります。しかし、「日本語を話すことができるのか」「在留資格は問題ないか」など懸念点がいくつかあり、外国人の採用にふみだせていない方も多いでしょう。

本記事では、接客業で雇用できる外国人と日本で急増している外国人労働者についてご紹介します。

外国人を採用するメリット

・人手不足の解消

日本では現在、ほとんどの業界で深刻な人手不足が問題となっています。2024年1月に帝国データバンクがおこなった調査によると、正社員の人手不足率は52.6%となっています。建設や物流といった業界では、7割近くの数字を記録しています。

そんな中、外国人労働者の受け入れが人手不足を解消する方法の一つとして多く取り入れられています。厚労省の調査によると、2023年10月時点での外国人労働者の数はおよそ203万人となっています。前年にくらべて22万人ほど増えていることから、年々増加傾向にあることがわかります。

参考:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ

参考:帝国データバンク 人手不足に対する企業の動向調査

・多言語への対応

インバウンドによる観光客の急増から、接客業では英語をはじめとした多言語への対応が欠かせなくなりました。どの業界でも、外国語の需要がたかまっている現状があるといえるでしょう。

英語につよい日本人の人材は増えましたが、英語をつかえない観光客も多くいるのが現実です。中国語など、ほかの言語に対応できるようになるのも外国人労働者の魅力だといえます。

雇用できる外国人の在留資格は?

外国人を雇用するさいに、必ず確認しなければならないのが在留資格です。

在留資格とは外国人が日本で住むために必要な資格で、もくてき別に種類がわかれています。接客業で働くことが可能な外国人を資格別に解説します。

・留学生

日本にある大学や高等学校等の教育機関にかよう生徒が保有する在留資格です。

就労には1週間で28時間という時間の制限があります。

留学生の多くは日本語を習得するのに熱心であり、アルバイトを通じて日本語をつかう仕事に挑戦したいと考える方がほとんどです。また、すでに敬語や漢字をふくむ高レベルの日本語を扱える留学生もめずらしくありません。接客業のアルバイトを探す留学生は多くいるため、貴重な人材として注目できます。

参考:在留資格「留学」 出入国在留管理庁

・永住者

永住者は「永住権」の取得がみとめられた外国人で、就労などの活動制限がなく、滞在期間にも制限がありません。

永住権の取得には、10年以上日本に在留していることや、日本人の配偶者がいることなど様々な条件があります。手続きには、「在留カードの確認」や「外国人雇用状況の報告」が必要です。

留学生とちがって働く上での制限がないため、日本人と変わらない条件で雇用したい方にとって永住者は最適な人材だといえます。

・特定技能

2019年4月に、人手不足の解消を目的にあたらしく創設された在留資格です。「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。

特定技能1号は飲食や宿泊をふくむ12分野にわかれています。それぞれの分野ごとに取得するための試験がことなり、携わることのできる仕事もかわります。

取得に必要な日本語のレベルは、日本語能力試験N4以上(基本的な日本語を理解できるレベル)とされていて、会話が問題なくできる外国人がほとんどです。きびしい条件や試験があるぶん、即戦力となる人材に出会うことのできる資格だといえます。

特定技能2号在留期間など、特定技能についてさらに詳しくしりたい方はわかりやすくまとめたこちらの記事をご覧ください!

特定技能1号と2号は何が違うの? 就業できる業種や取得要件の違い、1号から2号への移行についてをくわしく解説

日本で急増中の外国人3選

以下では、接客業で外国人を採用する参考として、日本で急増中の外国人をいくつかご紹介します。

・バングラデシュ人

親日で名高いバングラデシュ人ですが、日本によく似た国民性や文化をもちます。そのひとつとして「おもてなし」の心があります。ゲストに対しては誰であろうと、まるで長いあいだ親しくしている仲のように接します。

また、人間関係においては、年功序列の文化があるそうです。バングラデシュでは、年上への敬意をはらうのは非常に大切なことだといいます。職場だけでなく、学生のころから先輩ときびしい上下関係のもとかかわります。

他にもバングラデシュは日本に近い労働環境をもっており、詳しくしりたい方はこちらの記事もご覧ください!

バングラデシュ人の特徴は? 文化や国民性・働き方を解説

・ネパール人

ネパール人は日本人に近い、控えめな性格をもっています。ネパール語は日本語と同じように「私は、野球を、する」という語順で話します。そのためか、ネパール人には「おれが、おれが」とまえに出てくるタイプは少ないともいわれています。日本人に似た、人間関係の常識や、対話するさいの距離感をもっているといえるでしょう。

また、ハードワーカーの方が多いのも特徴です。これには、ネパール人は若いころから、母国にいる祖父母に仕送りをするのが一般的だということが影響しているようです。ほとんどのネパール人が経済的に独立したいという思いをもっており、熱心に働く方が多いのだといいます。

ネパール人と働く前に、必ず知っておくべきことなどについて特集したこちらの記事もご覧ください!

【日本で増加中!】ネパール人と仕事をすることになったら? 文化や特徴・国民性・歴史などについて解説!

・インドネシア人

インドネシア人のもっとも特徴的な部分は、高いレベルの語学力です。英語はもちろん、中国語も当たり前につかいこなせる方が多いようです。また、日本のアニメや漫画が現地ではにんきがあります。その影響から日本語学習者も多く、約70万人程度いるといわれています。

ただ、時間に対する感覚は大きく異なっており、現地では時間をきちんと守る文化がありません。日本に住んでいるうちに時間厳守といわれていると、次第にそうなるようですが、人1倍つたえる必要があります。

インドネシア人の性格や、一緒に働くさいの注意点について詳しく解説した記事もご覧ください!

急増するインドネシア人の労働者! 留学生に聞いたいまの国内事情、就職は日本より過酷?!

まとめ

本記事では、接客業で雇用できる外国人の在留資格と、日本で急増している外国人についてご紹介しました。

接客はお客様をちょくせつ前にすることから、とくに外国語での対応がもとめられる仕事です。「人手が足りていない」「外国語を使える人材がほしい」とお考えの方は、外国人採用に動きだしましょう!