訪問介護、居宅介護支援を行うケアラインさまの外国人採用事例 リーダーの定期的な1 on 1が重要!
〈会社紹介〉
会社名:株式会社ケアライン さま
業種:訪問介護、障害支援、居宅介護支援
代表取締役:櫻 尊幸さま
管理事業部:松山 明義さま
サービス提供責任者:梅津 ジュネルさま
サービス提供者:マリア・リタさま
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ーー外国人採用はいつ頃から始められましたか?
櫻さま:
実はここを立ち上げてすぐの頃から、どこの業界も人手不足なので外国籍の方と日本人の両輪で進めなきゃと思っていました。
自分たちでも技能実習生とか、特定技能についてはたくさん勉強していたんですが、当初は訪問介護は対象にならなかった。介護は対象にならなかったんですよね。
ーー御社に最初に入った外国人はどのような方でしたか?
松山さま:
Sさんという方ですね。弊社は今年で11年目なんですけど、まだ3年目のころにビザを持っているハーフの方が入りました。ケアラインとしては、そこが始まりだと思います。知人の紹介という感じでした。
ーーSさんは会話はどうでしたか?
櫻さま:
まあ聞くことはできるけど、話すのはちょっとという感じでした。
外国籍の方にはN検(日本語能力試験)を会社の負担で取ってもらって、手当を出すという方針を明確にしていましたので、勉強してもらいながらという感じでしたかね。
梅津ジュネルくんだけ、早稲田の大学院を出て普通に就職を控えていたんですけど、たまたま知り合いのツテでスカウトできました。
彼の日本語能力はとても高くて、弊社では外国籍の方をまとめるリーダー的な存在をになってくれています。
ーーインディードや、ハローワークなどは使われていましたか?
同時進行ですね。
こっちは外国人を採用するために使うわけではなくて、おもに日本人採用で使っていましたが。
ーー年齢的には外国籍の方から来る応募のほうが若いのかなと思うのですが、どうですか?
松山さま:
雇用形態にもよりますが、アルバイトやパートさんとかですと、弊社でも従業員の高齢化は進んでまして、60代の方が多いですね。
それに比べると外国人人材は30代40代からの応募はよく来ますね。
ーー訪問介護は力がいる局面も多いんでしょうか?
施設での介護は決まっていることをテキパキずっと動いてこなし、それこそ力が必要という印象を受けると思います。
うちは訪問介護なので、力というよりも体力全般というか、健康であることの方が大切ですかね。訪問先に出向くときには頻繁に自転車を漕いだりするので。しっかりした基礎体力が必要ですね。
ーー外国籍の方と働いていて、これは大変だなと思うことはありますか?
櫻さま:
そうですね。日本人を教育するよりはやはり大変ですよね。手間はかかりますから。
ただ会社の組織について考えてみると、私からみるともう彼らは必要不可欠な存在ですね。組織づくりに必要です。
ただ雇用するのではなくて、やっぱり外国籍の方のリーダーを作らないといけないと感じますね。
ーーなるほど
櫻さま:
ちょっとした気遣いなどは日本人以上に必要になりますけど。あと国ごとに特徴も違うので。
フィリピン出身の方なんかだと、人のまえで怒るというのは絶対にNGですし。
人前ではなくて個別で怒らないといけない。そういう国ごとのNGというのは会社全体で共有するようにしていますね。
松山さま:
言葉の壁はあるんですが、現在はツールの力で意外になんとかなる部分もありますよ。
弊社ならグループウェアのLarkを使っていますが、自動翻訳でコミュニケーションも簡単にできます。
ーー御社をみていると「外国籍だから扱いを変えます」という雰囲気がないから、外国籍の方にとって居やすいのかなと感じますが、その辺りはどうでしょうか?
櫻さま:
そうですね。言語や文化が違うので人一倍気遣いはしますけど、特別扱いとかはしないようにしてますかね。
ただ日本人とくらべて甘くするわけではないです。表現が難しいですが。
ーー御社のサービスを利用される方は、外国籍の方に対してどんな印象ですか?
櫻さま:
評価はめちゃくちゃいいです。丁寧で一生懸命という印象を与えるみたいですね。
日本人よりも全然いいというケースもあります。
ただ最初の導入時にはかなり気を使っています。現在の高齢者世代の方ですと受け入れが難しいこともありますので。
松山さま:
でも、想像していたよりもはるかに受け入れてもらってますよね。
櫻さま:
ええ。
ただ訪問介護は相手の家にひとを送るので、最初はかなり気を遣っていますね。担当者が「もう来なくても大丈夫」っていわれるまで、ずっと現場へ同行するようにしています。
これは別に日本人、外国人関係ないですが。
ーー御社に外国籍の方がちゃんと定着してくれるのも、面倒見がいいからかもしれませんね。
櫻さま:
そうだと嬉しいですね。笑
ーーGuidableでは2019年から求人を出してもらっているんですが、応募者の違いだったり、サービスが進化したなと感じるポイントはありますか?
松山さま:
うちとしては前から破格の条件だと思っていました。「うちに載せたら7、8件は来ますよ」といわれたんですが、「そんなくるわけないでしょ」と当初は思ってました。
日本人向けの媒体だとうちの業種は来ないで有名で、冷え切っているようなところがあるので。
でも実際に載せてみると、当時からそのくらいは来ましたよね。
櫻さま:
いまはもっと応募数が増えている印象ですよね。
あと以前に外国人がちゃんとビザを持っているのか、就労できるのかを自分たちで把握しようとしていたんですが、これはつづけるのは無理だなと思いました。
Guidableさんは途中までやってくれるので非常に助かります。
ーーでは梅津 ジュネルさまと、マリア・リタさまにもお話を聞きたいと思います。梅津さんはもう日本は長いんでしょうか? そもそも大学院を出て、日本の企業に就職しようとしていたと聞きましたが。
梅津さま:
もう日本にきて14〜5年ですね。
日本は人手不足になっているので、外国の労働力をどういう風に使うのかということに学生のときから興味を持っていました。
(中央:マリア・リタさま、右:梅津 ジュネルさま)
フィリピンと日本の間で、やりとりはどういうふうに行われているのかは興味を持っているところでした。
ーージュネルさんのチームは何名くらいですか?
梅津さま:
明確に分けられない部分がありますが3、4名くらいですかね。
ーー外国籍の方と日本人のあいだに立って、コミュニケーションを取る役割をされているんですか?
梅津さま:
マリアさんなんかは日本語で細かいニュアンスが伝わるんですが。
フィリピン人の考え方と日本人の考え方はやはり違っている部分があって、「こういうふうに言ってないのにな」という言葉でのすれ違いはあって、その辺りをカバーする感じですね。
ーージュネルさんは、マリアさんからみるとどうですか?
マリア・リタさま:
逞しいですね。いると安心。若いのに。
ーーマリアさんはいつ日本にいらしたんですか? 最初はどういう経緯でしたか?
マリア・リタさま:
もう30年前。
親戚のツテで働いて、それで10年経って永住権になりました。
ーーGuidableのことは知ってましたか?
マリア・リタさま:
知らなかった。
フェイスブックを見ていて、ひまだから少し働こうと思っていたところだったの。これでいいのかなっていうくらい。(応募が)簡単でしたね。
(エージェントが)とても親切にしてくれました。
ーー仕事をしてる中でたいへんなことはありますか?
マリア・リタさま:
障害を持っている子の送り迎えをするとき。
知らないひとに触ってしまったり、叩いてしまったりしているときに、すこし大変。
肉体的な疲れというよりは、精神的な疲れ。
でも職員のみんなが声かけてくれる。「今日はどうでした〜?」って。
梅津さま:
外国人を受け入れる上では、やはり体制を整えないといけないという話は前提としてありました。
なにかあったらすぐ報告。
わからないことがあったらちゃんとそのままにしないで、すぐにアクションしないといけない。
また同じようなことが起こらないように。だから、何かあったら必ずみんなで話すようにしています。
ーー頻繁にコミュニケーションをとっているんですね
梅津さま:
定期的な1on1(1ヶ月、2ヶ月に1回)をすることになっていて、そこが問題を吸い上げるいい機会になってます。
中小企業の長所というか、少ない人数でやっているからこそ目が行き届くというか。
ーー業界や仕事に対して、問題意識を持っているところはありますか?
梅津さま:
人口不足で、業界自体がどこも手薄になっていて、外国人人材をうまく使わないとというところありますが、介護や看護はフィリピンでは結構人気です。
訪問介護は日本独自のやりかたみたいなところあるから、業界ではこのやり方をうまく理解できない国籍の方も多いですね。
たとえば以前ペルーの方がいたのですが、いちから説明しないといけないようなところがあって、そういう部分は難しいですね。
制度的にも始めるのに壁が高すぎる気がします。日本の介護福祉士とか。フィリピンで介護士を何十年もやっていても、日本で働くにはまたイチから勉強や経験を積まないと現場では働くことができない。そこが問題ですね。
ーー日本とフィリピンの介護でやっていることは違うんですか?
梅津さま:
やっていることはだいたい同じでしょうね。でも日本だと「日本語ができないと」とか自分たちで壁を高くしているところがありますね。
アメリカだと仕事さえ見つかればすぐにアサインされます。
フィリピンの人は近いから日本に来たいと思っていても、その壁が高いのでアメリカで働いてしまう人も多いです。
このあたりは、もう少し壁の高さを見直す方がいいと思います。
ーーなるほど。本日は貴重なお話ありがとうございました。