外国人の部下、同僚と一緒に働くときには配慮を大切にしましょう! 言語力、宗教、時間感覚の違いも気をつけるポイント
人材不足があらゆる業界で慢性的になっている昨今、日本企業では外国人を採用する機会が増えています。
若くて能力が高い外国人を雇用するメリットを企業側も把握しており、今後もその雇用者の数はさらにのびつづけることでしょう。在留外国人を雇用して、しっかりと会社に必要な人材になってもらううえで必要になるのが、「相手への配慮」などであることは言うまでもありません。
この記事ではもし外国人の部下や同僚ができた場合、気をつけるべきことをまとめました!
外国人の部下ができたらどうする?
外国人と働くうえで大切なこととして、大きく「言語力」「宗教」「時間感覚」の3点が挙げられます。
気をつけるポイント①:言語力
もし外国人であっても、日本語が流暢に話せる人物と働いていると、とくに困ることは何もないでしょう。しかし言語レベルは「まったくの初心者」という方から「ほとんどネイティブ」に近いレベルまで、かなりグラデーションがあります。
もし自分の部下や同僚と母語が異なり、基本的に日本語とカンタンな英語で業務を進めるときには以下のことを気に留めるといいでしょう。
内容 | |
コミュニケーションを多様に | 言語の壁がある場合、言葉だけでなく、ジェスチャーや図・図表など、視覚的な手段を使ったコミュニケーションが有効です。 相手の理解を助けるためにさまざまな手段を使いわけましょう。 |
明確で簡潔なコミュニケーション | コミュニケーションを行う際には、言葉を選んで明確かつ簡潔に伝えることが重要です。 長文や複雑な表現は避けて、重要なポイントをわかりやすく伝えましょう。 |
エンパシーと配慮 | 言語の壁がある部下とはたらく場合には、彼らの立場や感情を理解し、配慮することが重要です。 彼らが理解できるように助け、サポートする姿勢を示しましょう。 |
柔軟性と忍耐 | 言語の壁を乗り越えるためには、柔軟性と忍耐が必要です。 ときには同じことを何度もくり返す必要があるかもしれませんが、根気よくサポートしましょう。 |
文化的な理解と尊重 | 言語の壁を越えると同時に、異なる文化やバックグラウンドを尊重し、理解することも重要です。相手の文化的な背景や価値観を尊重し、対話や意思決定に役立てましょう。 |
共通の目標の確立 | チーム全体が共有する目標や価値観を明確にし、それに向かって協力して取り組むことが大切です。 共通の目標があれば、言語の壁を超えて協力し合うことが可能です。 |
気をつけるポイント②:宗教
昨今は全世界的に「宗教心は薄れていく傾向がある」といわれています。科学的にものごとを考えることが普通になればなるほど、宗教心が次第に薄れるのも当然なのかもしれません。
しかしながら、宗教はまだまだ文化的な常識を形成するのに役立っている側面があります。
たとえば日本は儒教や仏教の影響が強いです。このような国では財布を落としても、多くが落としものとして窓口に預けられ、本人のもとに戻ったりします。しかし世界的に見れば、このような現象は珍しいことと捉えられるでしょう。
自分たちでは気づきにくいですが、世界的に見ると日本人の常識は独特なものに思われることもあるのです。
相手の宗教のタブーは知っておこう
いっしょに働く方の宗教については、事前に最低限の知識を持っておきましょう。実際にどのようなことを知っておくべきかは、以下の表を参考としてみてください。
具体例 | 内容 |
宗教の儀式や神聖な場所への配慮 | 宗教的な儀式や神聖な場所では、適切な服装や行動が求められます。例えば、イスラム教のモスクでは、靴を脱ぐことや適切な服装が求められます。 こうした宗教的な場所にいっしょに行く機会はないかもしれませんが、知識はないよりはある方がいいでしょう。 |
食事規定 | 宗教的な食事規定も配慮する必要があります。たとえばヒンドゥー教では牛肉を食べることがタブーとされ、イスラム教やユダヤ教ではハラールやコーシャの食品を遵守することがもとめられます。 同僚や部下といっしょに食事をする際には、このようなことを気にする必要があるでしょう。 |
聖典や神聖なシンボルへの配慮 | 特定宗教の聖典や神聖なシンボルに対する冒涜は重大なタブーとされます。 これには聖書、クルアーン、仏教の経典などが含まれます。軽口などで、相手の宗教の聖典やシンボルを悪く言うことがないよう気をつけましょう。 |
気をつけるポイント③:時間感覚
時間に対する厳守の感覚は、地理的な傾向によって異なる場合がありますが、個々の文化や社会的背景にも大きく影響されます。
一般的な地理的な傾向としてはつぎのようなものがありますが、これはあくまでも一般論です。
個々の文化や個人の行動には例外があることを留意してください。
地域 | 一般的な時間の感覚 |
北欧諸国 | 北欧諸国(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなど)は時間に対する厳守の文化が強く、時間を守ることが重要視されています。遅刻は失礼とみなされる傾向があります。 |
ドイツ | ドイツも時間に対する厳守の文化が強い国のひとつです。時間通りに約束や会議に現れることが求められます。 |
日本、韓国、シンガポール | 日本、韓国、シンガポールなどのアジア諸国では、一般的に時間に対する厳守の文化が根付いています。とくに日本では時間を守ることが重要視されています。 |
東南アジア諸国 | 一般的には比較的柔軟な傾向があります。東南アジアの文化ではリラックスした雰囲気であることが多いです。時間に関してもストレスを感じるよりも、ゆったりとしたペースでものごとを進めることが一般的です。 しかし都市部では、時間の厳格さがもとめられることもあるようです。 |
ラテンアメリカ諸国 | ラテンアメリカ諸国では、時間の感覚が比較的柔軟な場合があります。とくに南米の一部の国では、時間に対する柔軟性が強く見られることがあります。 |
中東諸国 | 中東諸国では時間の感覚が文化や個人によって異なりますが、一般的には時間に対しては柔軟性が見られます。 |
外国人部下・同僚を持った場合に、気をつけることはわかりましたか?
今回はポイントを3つにしぼって、外国人の部下や同僚を持ったときに気をつけるべきことを考えてきました。記事の中では、「配慮」や「エンパシー」という言葉が出てきたと思いますが、このような点を日々働く中で意識することは非常に学びが多いでしょう。
配慮は過剰すぎても相手を不快にさせてしまうため、その塩梅が難しいものです。しかしながら、他文化を背景として育ってきた相手といっしょに働く機会に恵まれたときほど、つねに立ち止まって自分を顧みる、相手に配慮をする姿勢が大切になるかもしれません。