近年、日本の外国人採用市場は大きく広がり、多くの企業が積極的に取り組むようになっています。

この記事では、外国人採用に力を入れている企業をランキング形式で紹介します。名前を聞いたことのある大手企業から、独自の工夫をしている会社まで幅広く取り上げました。
それぞれの企業がどのように外国人採用を進めているのかを知ることで、新しい気づきや自社に活かせるヒントが見つかるはずです。

目次

【2026年最新版】外国人採用に積極的な企業トップ10

外国人採用の目的は、単に人数を増やすことではありません。長く働いてもらえる仕組みをつくることが大切です。
今回は次の5つの観点をもとに総合的に評価し、注目の取り組みをまとめました。

  • 外国人従業員の人数・比率(公開データに基づく)
  • 採用に関する具体的な取り組み
  • 定着支援の仕組み
  • 採用の成果
  • 企業の将来性

1位:株式会社メルカリ

メルカリ ロゴ

エンジニアを中心に多国籍化が進み、言語の壁を取り除く仕組みまで整えています。採用から定着までの流れが非常に完成度の高い企業です。

公式のImpact Report(FY2024.6)によると、外国籍社員比率は全社員の29.4%、エンジニア職では56.8%に達しています。管理職の28.7%も外国籍で、数値が一貫して公式資料で開示されており、採用担当者が実態を確認しやすい企業です。

ここがすごい!

  • Global Operations Teamを常設し、会議の通訳や資料翻訳を社内で提供。言語による情報格差を組織として吸収している
  • 日本語・英語のスピーキング評価や学習サポートを制度化
  • ビザや渡航、引っ越しまで入社時の受け入れ体制を標準化し、個人の負担を最小化

参考リンク(公式)

2位:株式会社ファーストリテイリング

「GLOBAL ONE TEAM」を掲げ、世界3,500以上の店舗と約10万人の社員が連携しています。採用から活躍までを制度と運用の両面で支える代表的な事例です。

公式サイト(2024年8月末時点)によると、グループ全体の管理職に占める外国籍比率は53.6%(うち執行役員16.7%)、グローバル本部の管理職は34.9%。2030年には管理職全体の80%を外国籍にするという目標を掲げています。

ここがすごい!

  • キャリアを「グローバル前提」で描ける。世界各国への配置・登用機会が制度として存在する
  • 執行役員と外国籍社員が参加するラウンドテーブルを実施し、意思決定層との対話を常に確保
  • 生活・仕事の相談窓口と1on1イベントを整備し、日常の課題を早期に解消
  • 男性育休取得率72.6%(2025年8月期)と、多様な働き方が制度として根付いている

参考リンク(公式)

3位:楽天グループ株式会社

楽天 ロゴ

2012年に英語を社内公用語として導入し、採用から定着まで言語の壁を大きく下げた先駆者です。グループ全体の従業員のうち、2割以上が外国籍、国籍数は100を超えます

二子玉川本社には多様な国や地域の社員が働いており、礼拝室やフードへの多文化配慮など、環境レベルでのインクルージョンが進んでいます。

ここがすごい!

  • 英語公用語化で採用プールを世界に広げ、情報格差を組織として解消
  • 100以上の国や地域から社員が集まり、宗教・文化に配慮したオフィス環境を標準化
  • グローバル共通の人事プラットフォームで進捗を管理し、効果を数値で追える体制
  • 外国籍社員向けに「日本の商習慣ワークショップ」を定期実施し、暗黙知の言語化に取り組む

参考リンク(公式)

4位:グーグル合同会社(Google Japan)

google ロゴ

英語と日本語のバイリンガルを前提に採用することが多く、東京はアジアの中でも重要な拠点です。
グローバル標準の採用プロセスと、福利厚生・教育制度が定着の基盤になっています。

ここがすごい!

  • 入社時の「Noogler(新入社員)オンボーディング」とバディ制度で早期立ち上がりをサポート
  • 英語と日本語を日常的に使い分け、文書や会議を二言語で運用
  • Google Meetの自動字幕・翻訳機能を活用し、多言語会議のストレスを軽減
  • グローバル水準の福利厚生と継続的な教育投資が、高い定着率の下地になっている

参考リンク(公式)

5位:アクセンチュア株式会社

アクセンチュア ロゴ

「インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」を経営の中心に置き、制度と実践の両面で強みを持ちます。
PRIDE指標では10年連続で高評価を獲得しており、多様な人が安心して働ける環境を整えています。

ここがすごい!

  • 入国から住居・銀行口座までの生活立ち上げを標準化し、人事と部門が協力してサポート
  • キャリアカウンセラー制度で、入社直後から目標設定と成長を支援
  • メンタルヘルスの窓口を多層化し、言語に依存しない相談体制を整備
  • 英語運用とドキュメント標準を実務に落とし込み、国際案件を円滑に推進

参考リンク(公式)

6位:ソフトバンク株式会社

ソフトバンク ロゴ

期間・既卒・新卒を問わない「ユニバーサル採用」(通年採用)を採用活動の軸に置き、国籍不問で主体的にキャリアを選べる仕組みを整えています。
採用ページや人事インタビューでは、外国籍採用への姿勢が明言されています。

ここがすごい!

  • 新卒・中途ともに国籍不問を明示し、在留資格や手続きを事前に案内して不安を軽減
  • 配属後はメンター制度や社内公募を組み合わせ、スキルと適性に合った配属を実現
  • 人権方針と相談窓口を明文化し、差別・ハラスメントの予防と対応を全社標準に

参考リンク(公式)

7位:PwC Japanグループ

PwC ロゴ

約13,500人のうち外国籍スタッフは828人・35カ国出身。この10年で外国籍スタッフ数は5倍以上に増加しており、多文化を尊重する文化が根づいています。

ここがすごい!

  • 入社前後のビザや在留手続きを人事がサポート
  • コーチ制度とバディ制度で立ち上がりを支援し、面談頻度も明確化
  • 異文化研修や「インクルージョン・カフェ」で現場のマネジメント力を高める
  • 海外メンバーと一緒に働けるプロジェクトを多数用意し、日本にいながら国際経験を積める

参考リンク(公式)

8位:パナソニック ホールディングス株式会社

パナソニック ロゴ

グループ全体でDEI(多様性・公平性・包括性)の方針を定め、データを公開しています。外国籍管理職の比率は非公表ですが、透明性のある情報公開と事業会社をまたいだ人材戦略で底上げを進めています。

ここがすごい!

  • グローバル共通の人事ルールを整え、海外子会社と本社の人材交流を推進
  • 生活・法務・IT環境をまとめたチェックリストとメンター制度で入社初期をサポート
  • 専門職・技能職向けに語学研修やリスキリングを提供し、学び続けられる仕組みを整備
  • 匿名で相談できる窓口を設置し、個人的な悩みや不安に対応

参考リンク(公式)

9位:トヨタ自動車株式会社

トヨタ ロゴ

海外拠点では現地登用を積極的に行い、管理職の多くを現地人材が担っています。
本社でも多様な人材が長期にわたって活躍できるよう、健康や安全面での支援を充実させています。

ここがすごい!

  • 本社と海外拠点の人材交流を制度化し、双方向のキャリアを実現
  • 製造・開発の現場では多言語の安全教育を導入
  • 健康・育児・介護・心のケアなど専門家に相談できる体制を整備
  • 社内異動やジョブローテーションで、専門性と適性を長期的に磨ける

参考リンク(公式)

10位:日本アイ・ビー・エム株式会社

IBM ロゴ

「Think40」という年間40時間の学習制度を設け、入社後も成長し続けられる環境をつくっています。
多様性や働きやすさを重視し、社内コミュニティやライフイベント支援も整っています。

ここがすごい!

  • Think40と「Your Learning」で継続学習を制度化し、昇格・評価と連動
  • LGBTQ+や障がい者、女性などの社員団体(BRGs)が活発に活動
  • 家族支援やパートナー制度を導入し、働き方に柔軟性を持たせている
  • 英語資料や相談窓口を明示し、外国籍社員が自分で情報を得やすい環境を整備

参考リンク(公式)

大手10社に学ぶ「今すぐ使える施策」5選

メモ書きを見る男性のイラスト

大手企業の外国人採用がうまくいっているのは、予算や人員が豊富だからではありません。
「言語の壁」「生活の不安」「キャリアの不透明さ」という3つの課題を、組織として丁寧に解消しているからです。

その本質は、コストゼロ〜低コストでも再現できます。ここからは大手10社の取り組みを、中小・中堅企業が今週から動ける形に落とし込んで紹介します。

施策① 入社時のサポートを仕組み化する(メルカリに学ぶ)

メルカリには「Mercari Pro Pack」という社員サポートプログラムがあります。
海外から入社するメンバーには「Mercari Relocation Package」として、ビザ取得・引っ越しサポート・航空券の予約・マンスリーアパートの手配・住民登録・携帯電話の契約サポート・日本での生活オリエンテーションまでをカバーしているのが特徴です。

さらにオンボーディングでは、Slackを通じた進捗やコンディションの定期確認、3日間のオリエンテーション研修、チームを超えた1on1を組み合わせ、「入社3か月以内にカルチャーを自らの言葉で伝えられる状態にする」ことを目標に設定しています。

中小・中堅企業でできること

Relocation Packageのすべてをそろえる必要はありません。まずは「在留カード確認・社会保険手続き・最寄り銀行への案内・社内連絡先一覧」をA4一枚にまとめ、入社初日に渡すことから始めましょう。
「何をいつまでにすればいいか」が見えるだけで、不安は大きく下がります。

施策② バディを1人つける(PwCに学ぶ)

PwC Japanは、「バディ制度」と「コーチ制度」を組み合わせて入社後をサポートしています。

バディは年次の近い先輩が1対1でつき、日々の困りごとや不明点へのアドバイスを担う制度です。
コーチはマネージャー以上の管理職が1名担当し、将来のキャリア相談や業務上の課題にフィードバックを行います。
月1回の面談機会を設けて運用しているケースが、社員の体験談として紹介されています。

中小・中堅企業でできること

「制度」と名付けなくても構いません。既存社員のなかから「困ったときに聞ける人」を1人決め、週1回15分の声かけを習慣にしましょう。
それだけでも、孤立による早期離職は大きく減らせます。

施策③ 言語サポートを仕組み化する(メルカリ・楽天に学ぶ)

メルカリには約20人で構成される通訳・翻訳専門チーム「Global Operations Team(GOT)」があり、社内の大規模イベントでの同時通訳から、チーム内の会議、メンバー同士の1on1、ドキュメント翻訳まで担っています。

楽天は2012年の英語公用語化以降、社内の情報共有を二言語で運用し、誰もが情報にアクセスできる環境を維持しているのが特徴です。

中小・中堅企業でできること

専任チームは不要です。社内の重要なお知らせをDeepLなどの翻訳ツールで英語版も作り並記する会議の議事録を「やさしい日本語」で書き直す、といった取り組みから始めてみましょう。
文化庁が公開している「やさしい日本語ガイドライン」は無料で活用できます。

参考:文化庁 やさしい日本語ガイドライン

施策④ 採用情報を多言語で設計する(楽天・Googleに学ぶ)

楽天は英語公用語化によって、採用プロセス全体を英語でも対応できる体制を整え、外国籍人材が応募しやすい環境づくりを進めてきた企業の一つです。

GoogleはJapanオフィスの求人ページで、職務内容や応募要件を日本語と英語を混在させた形式で記載しています。「英語と日本語による優れたコミュニケーション能力」を多くのポジションで明記している点も特徴です。

外国籍かどうかにかかわらず、グローバルに通用する人材を前提とした採用設計になっています。

中小・中堅企業でできること

ハローワークや求人サイトに掲載する求人票を、DeepLなどの翻訳ツールで英語版も作成し、追加しましょう。
それだけで「英語でも応募できます」と示すことができ、これまでリーチできていなかった人材層への入口が広がります。

初めての外国人採用、何から始める?

外国人採用を検討しているものの、「何から手を付ければいいのか分からない」という声は少なくありません。
ここでは、初めてでも迷わず進められる3つのステップを紹介します。

Step① 採用の目的と要件を明確にする

なぜ外国人を採用するのかを言語化し、任せたい業務対応する在留資格を確認しましょう。日本語・英語レベルは、業務上の必要性にもとづいて設定するのが原則です。

「なんとなく、JLPT N3以上」のようにあいまいな要件にすると、必要以上に候補者を絞り込む原因になります。

Step② 採用チャネルと選考方法を決める

求人票を多言語対応させ、ハローワーク・外国人向け求人サイト・大学留学生課など、複数の採用ルートを検討します。
外国人専門の求人サービスは、就労可能な在留資格を持つ人材に直接リーチできるため、初回から活用するほうが効率的です。

Step③ 受け入れ体制をつくる

入社時のチェックリスト(在留カード・社会保険・住居サポートなど)を用意し、最初の3か月は定期面談とメンター配置で支援する体制を整えましょう。

迷ったときは、まず「在留資格の確認」「多言語での求人作成」「入社後3か月のサポート体制」の3点を優先してください。
この土台を整えるだけでも、採用の成功率と定着率は大きく変わります。

よくある質問 (FAQ)

Q:ランキング上位の企業は、どのような採用手法を使っていますか?

A:複数の採用チャネルを組み合わせ、優秀な外国人材にリーチしている傾向が強いです。

おもな手法として、LinkedInなどを使ったダイレクトリクルーティング、国内外大学でのキャリアフェアやインターンシップ、海外現地採用から日本への異動、既存の外国人社員からの紹介(リファラル採用)、多言語でのグローバル採用チーム運営などがあります。

中小企業が参考にできるポイントとしては、ハローワークの外国人雇用サービスセンターの活用、国内の日本語学校・専門学校との提携、LinkedInで無料アカウントを作成して英語で求人を発信することなどが挙げられます。

Q:中小企業が大手企業の取り組みを参考にする場合、どこから始めればいいですか?

A:すべてを真似する必要はありません。優先順位をつけ、段階的に進めるのが現実的です。

第1段階は受け入れ体制の整備です。メンター・バディ制度、入社時チェックリスト、定期面談、やさしい日本語の社内資料を整えることが出発点になります。
第2段階は採用手法の工夫で、求人票の多言語化と外国人採用サービスへの登録が中心です。
第3段階として、住居サポート、日本語研修の提供、キャリアパスの明文化など、福利厚生の充実に取り組みましょう。

まずは1〜2名を受け入れ、成功体験を積むことが大切です。外部リソース(登録支援機関、人材紹介会社など)を活用しながら、徐々に広げていきましょう。

Q:ランキング上位企業の外国人社員の定着率が高い理由は何ですか?

A:「キャリア・言語・生活・文化」の4つの不安を、組織全体で解消しているからです。

キャリアの不安には昇格パスと評価基準の明文化、言語の不安には翻訳サポートと多言語コミュニケーション、生活の不安には入社時の生活立ち上げサポート、文化の不安には異文化研修や相談窓口で対応しています。

制度が完璧でなくても「丁寧なサポート」と「成長機会の明示」があれば、定着率の向上は十分可能です。

Q:外国人従業員比率が高い企業は、社内コミュニケーションをどう工夫していますか?

A:言語の壁を「前提」とし、複数の工夫を組み合わせている点が共通しています。

おもな取り組みとして、公用語の設定または二言語運用、通訳・翻訳サポートの内製化、やさしい日本語の推奨、ITツール(Google翻訳・DeepLなど)の活用、情報共有の標準化(会議資料の事前共有・口頭と文書の二段階伝達)があります。

Q:ランキングに入っている企業の外国人採用数や比率は、どうやって調べられますか?

A:複数の情報源を組み合わせて確認するのが確実です。

IR資料・統合報告書、サステナビリティレポート・ESGレポート、公式サイト(採用・ダイバーシティページ)、有価証券報告書(上場企業のみ)、厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」などがおもな情報源となります。

すべての企業が外国籍比率を公開しているわけではありません。
この記事で紹介した数値は各社の公式資料にもとづいていますが、非公表の場合は採用ページや社員インタビューから実態を推測する方法もあります。

さいごに

外国人採用は、単に人材を集めるための手段ではありません。企業の競争力を高め、組織全体の成長を支える大切な取り組みです。

今回紹介した大手10社に共通するのは、「採用後」への投資の厚さです。
ビザや住居のサポート、入社後のオンボーディング、言語学習の支援、キャリア形成の機会といった体制をセットで整えているからこそ、外国籍社員が長く力を発揮して働けています。

規模が小さくても、この「考え方」は再現できます。まずはこの中から1つを選び、始めてみてください。

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