アジア人の中でも、高い英語力を持つ人が多いとされるフィリピン人を雇用したい方もいるでしょう。フィリピン人を雇用する場合には、ビザ申請が必要なこともあります。

今回の記事では、ケース別に必要なビザの種類、具体的な申請手順を解説いたします。フィリピン人の採用を検討されている方は、今回の内容をぜひ参考にしてください。

フィリピン人はどんなビザで滞在してるの?

日本に滞在するフィリピン人は増加しており、国内でもフィリピン人を雇用する企業は増えています。令和5年末の時点では、在留外国人のうちフィリピン国籍の方は毎年数万人単位で増え、32万2,046人まで増えました。

日本の在留外国人の中でも多いのは、中国、ベトナム、韓国で、フィリピンは第4位です。

フィリピン人が多いビザは?

フィリピン人は永住者、定住者が多く、日本人の配偶者も2万人以上います。在留資格の上位10位は、以下の表の内容になります。

在留資格人数
永住者138,653
定住者59,044
日本人の配偶者21,583
特定技能1号17,660
技能実習1号ロ10,520
技能実習3号ロ10,052
技能実習2号ロ9,461
技術・人文知識・国際業務9,196
永住者の配偶者など8,581
特定活動5,138

フィリピン人の雇用に必要なビザは?

フィリピンから日本に人を呼び寄せたり、すでに日本に住んでいるフィリピン人を雇用するためには、目的に応じた在留資格(ビザ)を取得する必要があります。
以下にフィリピンからの労働者や家族を日本に呼び寄せるための、一般的な在留資格と取得方法を説明します。

1. 就労目的での在留資格

フィリピンから労働者を呼び寄せる場合、就労目的の在留資格が必要です。
目的や職種に応じて、以下のビザを取得できます。

a. 技能実習ビザ

技能実習制度のもとで、フィリピン人を呼び寄せるために多く利用されているビザです。
この制度は、フィリピンから技能を学びに来る労働者を受け入れるためのもので、製造業、建設業、農業、漁業、介護などの分野で活用されます。

手順:

  1. 日本の受入れ機関(企業や協同組合など)がフィリピンの送り出し機関と提携する。
  2. フィリピン政府に認定された送り出し機関を通じて、候補者を選びます。
  3. 日本の入国管理局に技能実習ビザを申請し、許可が下りると技能実習生として呼び寄せることができます。

b. 特定技能ビザ

2019年に新設されたビザで、特定の業種における即戦力として外国人を呼び寄せるための在留資格です。
フィリピンからも多くの労働者がこのビザで来日しています。

特に介護、外食業、建設、宿泊、農業など14の業種で利用されています。

手順:

  1. 日本の企業がフィリピンで労働者を採用し、受け入れ準備を整える。
  2. 特定技能ビザを申請するには、日本での技能評価試験に合格し、日本語能力試験(N4以上)をパスする必要があります。
  3. 日本の入国管理局にビザを申請し、許可が下りたらフィリピン人を特定技能労働者として呼び寄せることができます。

c. 技術・人文知識・国際業務ビザ

専門的な知識やスキルを持つフィリピン人を呼び寄せるためのビザです。
ITエンジニア、通訳、デザイナー、マーケティングなどの専門職で利用されます。

手順:

  1. 日本の企業が労働者を採用し、雇用契約を締結します。
  2. 在留資格認定証明書(COE)を日本の入国管理局に申請し、発行されるとフィリピンの労働者に送ります。
  3. 労働者はCOEを持ってフィリピンの日本大使館・領事館でビザを申請し、許可が下りると日本に渡航できます。

2. 家族滞在目的での在留資格

フィリピンから家族を呼び寄せる場合は、「家族滞在ビザ」などを申請します。日本で働いている外国人や日本人の配偶者、子供がこのビザを利用します。

手順:

  1. 日本に住む家族が、日本の入国管理局に「在留資格認定証明書(COE)」を申請します。
  2. COEが発行されたら、フィリピンの家族に送付し、フィリピンにある日本大使館・領事館でビザを申請します。
  3. ビザの発行後、日本に渡航して滞在することが可能です。

3. 結婚目的での在留資格(配偶者ビザ)

フィリピン人が日本人と結婚している場合、配偶者ビザを申請して日本に呼び寄せることができます。配偶者ビザを取得すると、就労制限がなく、日本で自由に働くことが可能です。

手順:

  1. 日本人配偶者が日本の入国管理局で「在留資格認定証明書(COE)」を申請し、フィリピンの配偶者に送付します。
  2. フィリピンの配偶者がCOEを持って、日本大使館・領事館でビザを申請します。
  3. ビザの発行後、日本での生活を開始できます。

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4. 永住権・定住者ビザ

長期間日本に住んでいるフィリピン人は、永住ビザや定住者ビザを申請することも可能です。家族が日本に住んでいる場合や、フィリピン人が長期間の就労を目的として日本に滞在する際に適用されます。

手順:

  1. 永住権や定住者ビザを申請するためには、日本で一定期間滞在している必要があります(一般的には10年以上)。
  2. 永住ビザを取得するためには、日本での生活に問題がなく、経済的に自立していることが条件です。
  3. 入国管理局に永住ビザまたは定住者ビザを申請し、許可が下りたらフィリピンから家族を呼び寄せることができます。

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在留資格を変更する場合の申請方法は?

在留資格を変更する場合、日本の入国管理局に「在留資格変更許可申請」を行う必要があります。

たとえば留学生が就職して「留学ビザ」から「就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)」に変更する場合や、技能実習生が「特定技能ビザ」に変更する場合など、ビザの目的や活動内容が変わる際に申請が必要です。

以下に、在留資格変更の申請方法について詳しく説明します。

1. 在留資格変更の対象者

在留資格変更は、現在の在留資格の活動内容を変更する必要がある場合に行います。
具体的には以下のようなケースが対象となります。

  • 留学から就労への変更
  • 技能実習から特定技能への変更
  • 家族滞在から就労ビザへの変更
  • 配偶者ビザから永住ビザへの変更
  • 観光ビザから就労ビザへの変更は通常認められませんが、特別な事情がある場合は例外となることがあります。

2. 申請方法の手順

a. 必要書類の準備

在留資格変更の申請には、いくつかの書類を準備する必要があります。
申請する在留資格の種類や個別のケースにより異なりますが、基本的には以下のような書類が必要です。

  • 在留資格変更許可申請書: 入国管理局のウェブサイトからダウンロードできます。
  • パスポートと在留カード: 現在の在留資格を証明するために必要です。
  • 申請理由書: なぜ在留資格を変更したいのか、その理由を記載します。企業が申請者を雇用する場合、雇用契約書も含まれます。
  • 雇用契約書や内定通知書(就労ビザの場合): 就労ビザに変更する際には、雇用先からの書類が必要です。
  • 収入証明や納税証明書(特定のケース): 経済的に自立していることを証明するための書類です。
  • 身分関係を示す書類(配偶者ビザの場合): 結婚証明書など。

書類の不備があると審査が遅れる可能性があるため、事前に入国管理局のホームページなどで詳細を確認しておくことをおすすめいたします。

b. 入国管理局に申請書類を提出

書類を準備したら、日本国内の最寄りの入国管理局(出入国在留管理庁)に書類を提出します。申請書類は、本人または代理人が直接窓口に持参する必要があります。

  • 申請場所: 申請者が居住している地域を管轄する地方出入国在留管理局で申請します。
  • 代理申請: 企業が雇用者のために代理で申請を行うことも可能です。

c. 審査期間

通常、在留資格変更の審査期間は約1〜3か月かかりますが、申請内容や混雑状況によってはさらに時間がかかることがあります。
審査中に追加書類の提出を求められることもあるため、提出後も注意が必要です。

d. 許可通知

審査が終了すると、許可または不許可の結果が通知されます。
許可された場合は、新しい在留資格が付与され、在留カードが更新されます。

  • 変更許可が下りた場合: 入国管理局で新しい在留カードを受け取り、今後は新しい在留資格に基づいて日本で活動できます。
  • 不許可の場合: 在留資格変更が不許可になった場合、現在の在留資格の期限内に出国するか、再度申請内容を見直して申請する必要があります。

3. 申請手数料

在留資格変更の申請には、4,000円の手数料がかかります。
許可が下りた際に、収入印紙で支払います。この収入印紙は入国管理局の窓口で購入できます。

4. 申請が不許可になる場合

以下のような場合、在留資格変更が不許可になることがあります。

  • 申請書類の不備: 必要な書類が不足していたり、内容に不正確な点がある場合。
  • 活動内容が変更できないケース: 在留資格の内容と新たな活動内容が一致しない場合(例:観光ビザから就労ビザへの変更は通常認められません)。
  • 収入や生活基盤の不安定: 変更後の在留資格で生活を維持できるだけの収入がないと判断された場合。
  • 法律違反の履歴: 以前に日本での法律違反や入国管理局への虚偽の申請があった場合。

5. 注意点

  • 事前の準備: 申請がスムーズに進むためには、早めに必要書類を揃え、変更したい在留資格に関する要件を確認することが大切です。特に企業が外国人労働者を雇用する場合は、雇用契約書や会社の情報を正確に提出する必要があります。
  • 現在の在留資格の期限に注意: 現在の在留資格の期限が切れる前に申請を行うことが重要です。期限が切れてしまうと、不法滞在となるリスクがあるため注意が必要です。

まとめ|フィリピン人のビザについて

フィリピン人を雇用する際のビザについては理解が深まりましたか? Guidable Jobs(ガイダブル・ジョブス)では、多くの有能なフィリピン人の人材の採用に成功しています。

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