近年の日本では少子高齢化が年々進み、労働人口の減少が大きな問題となっています。
そこで日本政府は外国人労働者の受け入れを拡大するため、2019年には在留資格「特定技能」を新設し、問題が多いとされている「技能実習」も新たな在留資格である「育成就労」へと変わることが決まっています。

多くの海外の方が日本で働き始めていますが、中でも日本に対して多くの関心を持っているのがタイの方です。2023年にはタイから日本への渡航者は年間で100万人以上となりました。
今回はそんな今後日本企業が雇う対象として、ますます身近になっていく、タイ人の性格や雇う際の注意点をまとめました。

外国人採用を始めている、または今後始めたいと考えている方にも、ぜひ最後まで読んでいただきたい内容になっています。

タイ人は日本にどのくらい住んでるの?

2023年6月の政府統計によると、総在留タイ人は59,271人です。この数は日本に住む外国人の中では第11位になっています。

タイ人に多い在留資格

在留資格としては、以下の内訳になっています。

  1. 永住者  21,738人
  2. 技能実習  11,287人
  3. 日本人の配偶者  7,552人
  4. 特定技能  4,359人
  5. 定住者  4,358人
  6. 留学  4,209人

永住者や日本人の配偶者の方が多いですが、近年急に技能実習制度で来日される方も増えました。

ちなみに日本以外の国では、タイ人が多く居住しているのはアメリカ(23万人程度)、ラオス(18万人程度)、台湾、マレーシアなどです。ヨーロッパでもイギリス、ドイツ、スウェーデンなどで多くの方が暮らしています。

タイ人が従事している主な業種

2022年12月の政府統計によれば、タイ人が働く業種は以下の通りです。

  • 技能実習第1号ロ  4,130人
  • 技能実習第2号ロ  2,456人
  • 技能実習第3号ロ  2,366人
  • 技術・人文知識・国際業務  2,538人

「技能実習第1号ロ」というのは、あまりなじみのない言葉でしょう。
そもそも技能実習制度とは、「外国人の技能実習生が日本において企業や個人事業主などの実習実施者と雇用関係を結んで、最長5年の中で出身国において修得が困難な技能などの修得・習熟・熟達を図る」というものでした。

技能実習生の受け入れには「企業単独型」と「団体管理型」の2つがあり、事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体が技能実習生を受け入れて傘下の企業などで技能実習を実施する方式である団体管理型が基本的に採用されていました。

「技能実習第1号~3号イ」は企業単独型
「技能実習第1号~3号ロ」は団体管理型

を意味しています。

また、

「1号」は入国1年目の技能などを習得中
「2号」は入国2~3年目で技能などに習熟中
「3号」は入国4~5年目で技能などに習熟中

というレベル別に分けるための呼称です。

「技術・人文知識・国際業務」とは技人国ビザと呼ばれるもので、企業や団体などと契約して、マーケティングやエンジニアリングなど、専門的・技術的な素養を必要とするホワイトカラー向けのビザです。

タイから日本へ留学している方は、大学卒業後に技人国ビザを取得してそのまま日本企業で働くという方も一定数います。

タイ人を雇うときの注意点3選

日本にすでに居住しているタイ人は、雇用のポテンシャルが大きいです。
しかしながら実際にタイ人を雇う際には、わたしたちとは育ってきた文化が違うことを理解した上で、彼らが働きやすい環境を整えたり、文化を尊重する必要があります。

またビザの更新や変更についても、継続的・安定的雇用をするには重要になります。つぎではタイ人を日本で雇う際の注意点を紹介いたします。

注意点➀:性格は温厚すぎる?

タイでは仏教徒が国民の9割を超えており、日常生活に仏教の精神が根付いています。
タイ人は頻繁にお寺に行ってお祈りをしたり、捕まってしまった動物を逃してあげたり、出家をすること、などがよいこととされています。

このように日頃から「タンブン」(※日本語でいうと「善行」を行って徳を積み重ねること)を大切にすると、自分や自分の家族が幸せになると信じられています。
そのため、タイ人は親切で温厚な人が多く、争いごとやケンカを嫌います。たとえば会社で部下を人前で叱責すると、タイ人の信用を失います。

注意点②:在留カードは持っている?

日本に入国を認められた外国人に発行される、「在留カード」を確認する必要があります。
在留カードは日本への中長期在留者に対して、上陸許可、在留資格の変更許可、在留期間の更新許可など、在留に係る許可にともなって交付されます。

カードには顔写真・居住地・在留カード番号・在留期間・就労制限の有無・在留カードの有効期限・在留資格などが記載されています。
「在留カードそのものを持っていない」「在留カード番号が無効、在留期間が過ぎている」という場合には、該当する在日外国人は不当に入国・滞在している可能性があります。雇うにはリスクが高いです。

注意点③:就労制限はあるかチェック!

在留カードの「在留資格」の部分に記載されている、在留資格・就労制限の有無もチェックが必要です。日本にはさまざまな在留資格がありますが、就労できる資格は比較的限られています。ビザの確認とともに、就労制限の有無の欄も確認しましょう。

留学ビザを持っている学生の場合には、資格外活動許可を取得することで、1週間で28時間以内(風俗営業等の従事を除く)でアルバイトが可能です。こちらは、カード裏面の資格外活動許可欄に記載があります。

注意点④:タイ人は楽観的?

日本語で「大丈夫・問題ない・なんとかなる」を意味する「マイ・ペンライ」と、日本語で「快適」を意味する「サバーイ」、タイ人が日常的によく使うこの2つの言葉が、タイ人の国民性をよく表しています。

難しいことは考えたくない、自分が快適な状態が好き、気楽に生きたい、自然な状態を大切にする、といった国民性です(あくまで一般的なものですが)。

「マイペンライ」が口癖のタイ人の行動は、ルールや時間に厳しい日本だとすこしズレがあるかもしれません。

まとめ|タイ人を理解してから採用しましょう

気をつけるべき点として、タイ人はわたしたちとは、そもそも育ってきた環境や文化が違うということです。今回この記事で紹介した、タイ人の性格的な特徴や国民性を理解して、ぜひ外国人雇用を進めてみてください。