日本には多くのフィリピン人が住んでいます。ここ10年で在日フィリピン人は増えつづけており、2023年6月末には約31万人になりました。在日外国人としても、韓国に次いで全体の第4位になっています。

またそれにともなって日本で働くフィリピン人の数も増えつづけています
2020年時点ではフィリピン人労働者は日本国内で18万4,750人となっており、こちらは国内にいる外国人労働者数全体の約1割に該当しています。

今後の社会全体のグローバル化に向けて「フィリピン人の雇用」は抑えておくべきトレンドのひとつでしょう。
ただフィリピン人を雇ううえで気をつけなければならないことがあります。
記事の中で詳しくご紹介いたします。

フィリピン人にとっての常識は日本と違う?

雇用を始めるまえに、まずはフィリピン人の国民性を理解しましょう。

時間の捉え方のちがい

フィリピンタイム」という言葉がある通り、日本とフィリピンでは時間の捉え方の概念がすこし異なります。
日本人からみるとフィリピン人は集合時間に遅れてきがちでルーズに思えるかもしれませんが、実際にはフィリピンでは約束した時間より遅れていくのが当たりまえとされています。

なぜなら時間通りに行くとまだ相手の準備ができておらず、結果的に相手のことを急かすことになってしまい、「失礼な人」という印象を与えてしまうからです。

家族、恋人優先

またフィリピン人は家族が第一優先で、人によりけりですが仕事の優先順位は家族ほどは高くありません。
その理由として「フィリピンは豊富な作物の輸出で生活が成り立っていた時期が長いため、働くことに対してそれほど熱心にならなくても生活できたことが関係しているのではないか」という意見もあります。
フィリピンでは、家族、恋人、恋人の家族の用事や体調不良を理由に仕事を休むことも不思議なことではありません。

フィリピン人がしたい仕事は?

フィリピン人の働く職種・業種の特徴として、男性は製造業や建設業、女性は介護をはじめとしたサービス系の業種で働く人が多いといわれています。
その他フィリピン政府から日本へ「IT系の技術者を送り込みたい」という希望もあるようで、2004年以降はIT技術者も率先的に採用されています。

エンジニアは主に「技人国」ビザで日本に就労しますが、2022年12月末時点で8,655人のフィリピン人がこのビザを取得しています。

人材不足が懸念される職種での活躍が注目されますが、日本国内でもさまざまな職種・業種でフィリピン人は活躍しています。

フィリピン人と働くうえで大切なこと

日本で活躍しているフィリピン人が多い一方で、いっしょに働くうえでは気をつけるべきこと、注意するべき点があります。
フィリピン人に限った話ではありませんが、「外国人を雇う」ということはまったく違う国・違う環境・違う文化・違う言語を背景に育っている人を雇うことを意味します。

おたがいに価値観の相違が起きたり、言語レベルの違いがあるがゆえに起こる認識の齟齬もあるでしょう。事前に押さえておくべきことを知識として持っているだけで、実際に直面した際の対応が変わるでしょう。

フィリピン人の性格・特徴は?

明るくて陽気

初めて会う人に対しても、誰にでも明るく笑顔で接する国民性といわれています。暖かい気候のせいもあってか、歌、ダンス、おしゃべりが大好き。
明るくて陽気な方が多いです。

自分に自信がある

ニュース誌の「TIME」の発表によると、セルフィー投稿でもフィリピンは世界一になっており、等身大の自分を認め、自分に自信をもっているようです。

フィリピンでは女性管理職が50%を超えており、世界でも女性の社会進出がかなり盛んです。世界男女格差指数ランキング2021においては、日本は120位ですが、フィリピンは17位。

自分に自信があるからこそ、仕事面でもプラスの効果が出ていると言えるのかもしれません。

人前で怒るはNG

フィリピン人を注意する際は、他人の目につく場所でしてはいけません。フィリピンの方にとっては、人前で怒るのは余計な屈辱を意図的に与えているようなものです。

しかし考えてみれば日本人にとっても、この点は同じといえるでしょう。国籍を問わず、もしまずい点を指摘した方がいいなと思ったときには、会議室などの個室でできるといいでしょう。

フィリピン人は日本語が得意?!

フィリピン出身の方を雇う上では大きなメリットがあります。日本で働きたいけど日本語に精通していない外国人も少なくない中、フィリピン人は相対的に日本語を話せる人が多いです。

世界的に見てもフィリピン人は日本語を勉強している人の数が多いです。
国際交流基金の2021年度のデータによれば、世界の日本語学習者数ランキングでフィリピンは9位(4万5千人程度)です。

日本で働こうとしているフィリピン人の多くが、日本語を勉強している人である確率は高いです。日本語を勉強しているフィリピン人を雇うことで、外国人雇用後に日本語を教えるという最初の大きな障壁を省いて仕事にのぞんで貰えます。

フィリピン人は日本語を勉強する方法がたくさん

フィリピン人は日本語を勉強している人が多いとはいえ、それでもなかなか円滑なコミュニケーションを図れない人も中にはいます。
ただ日本語を勉強する人が多いフィリピン人のために、フィリピン人に向けた日本語勉強方法はたくさん世に出まわっています。教材でいえば「社会人向け」や「児童向け」、紙面の教材のみならずインターネットでダウンロードできる教材など多種多様な教材があります。

その他、日本人がフィリピン現地におもむき日本語の教育をするプロジェクトなども行われており、学生から社会人まで幅広い方が参加できます。
フィリピン人にとって日本語を勉強する環境は充実していると言っていいでしょう。

日本で仕事を探すフィリピン人を雇いたい!

フィリピン人を雇う際は上記のような注意点、メリットを理解したうえで雇用をしましょう。実際に外国人を採用しようと思った際は、フィリピン人は雇用をしやすいのも事実です。
現在は多くの企業がフィリピン人を採用しようとしています。今後グローバル化が進んでいく中で、日本企業のフィリピン人雇用はひとつの大きなトレンドになるでしょう。

永住権をもっているフィリピン人は日本に多く、よりいい仕事場をもとめています。外国人採用を考えている方は、フィリピンの方を希望してもいいかもしれませんね。

日本で仕事を探すフィリピン人について理解が深まりましたか?

あらためて、今後の社会全体のグローバル化に向けて日本企業のフィリピン人雇用は大きなトレンドとなるでしょう。フィリピン人雇用に向けてすでに動き始めている企業も多数あります。
このトレンドに乗り遅れないためにも、フィリピン人雇用における事前知識をもっておくことが大切。

フィリピン人雇用において理解すべき点をしっかり踏まえて、よりスムーズな外国人雇用を実現していきましょう!