在留外国人を国別ランキングでみてみよう! 3位は韓国、2位はベトナム、1位は・・・?
2024年6月末には、在留外国人数が358万人以上になり、日本の全人口に対しての比率ですと2.8%が在留外国人となりました。
これは日本の少子高齢化にともなって、海外からの労働力に期待して政府が入国規制を緩和している結果です。
これからの日本ではこの流れはさらに強くなっていきます。
しかし外国人が「日本で働こう!」と思って来日したとしても、彼らを雇う日本企業や、そこで働く人に諸外国の知識が充分にないこともあるでしょう。
そこで今回は、日本にいる在留外国人では、どんな国の方が多いのかをランキング形式で紹介いたします。
これからますます増加するであろう在留外国人についての知識をより深め、その特徴を抑えて受け入れる準備をしましょう。
目次
在留外国人ランキングはこちら!
外国人数の国別ランキングを1位から10位にまとめました。
国民性も合わせてリサーチしてありますので、ぜひご覧ください。
今回用いたデータは出入国在留管理庁の報道発表資料から抜粋しており、令和4年6月末時点での在留外国人数となっています。
10位:米国 64,800人
世界大戦以降、教育を目的として来日する米国人は多いです。この方々はALT(外国語指導助手)、英会話スクールなどで働いています。
国別にみても教育従事者の割合は高く、単純労働をしに日本に来ている米国人はほとんどいません。
物価を考えてみても、言語的側面でみても、あまりその必要性がないからでしょう。
また外資系企業や日本企業で、マーケティングやセールス、国際関係のビジネスに関わっている方も多いです。エンジニア、技術者として高い給与を得ている方もいます。
「駐屯地にいる軍人」は在留外国人に含まれないので、実際はこの数字以上に国内で米国人に会う機会は多いでしょう。
9位:台湾 67,277人
国同士が友好関係にある台湾からは、多くの在留外国人が来ています。
「風土が似ているため住みやすい」という理由も相まって、台湾の方にとっては日本は人気の在留先です。
インターンシップ、ワーキングホリデーで在留している方がほとんどです。
また転勤や教授職など、高度な専門性のある優秀な人材が多くみられます。
▼台湾については以下の記事でも詳しく紹介しています!
国民性
- 自立心が強い:「責任を持って自分からチャレンジしよう!」という意識が国民に根付いています。スポーツでも個人競技の成績がいいのは国別にみても明らかです。
- 家族との時間を大事にする:年間行事だけでなく、日常的にも家族と過ごす時間が多いのが台湾人の特徴です。そのため仕事を定時で切り上げて、時間を確保する人も多いのだとか。
8位:ミャンマー 110,306人
ここ数年、急激に日本で働くミャンマー人は増えています。前年と比較しても2万3千人ほど増えており、今後も増えていくであろうことが予想されています。
ミャンマー語が日本語と類似した語順で話す言語のため、比較的日本語がうまくなりやすいことが関係しているといわれています。
またミャンマーでは、2021年の軍事クーデター以降は犯罪が劇的に増えており、2023年にはもっとも犯罪活動の多い国のひとつとしてランクづけされています。このような国内の状況も、日本で働くミャンマー人の増加と密接に関わっていそうです。
国民性
- 温厚で親切:親切でフレンドリー。旅行者や外国人にとってもやさしい
- 敬虔で宗教的:多くが仏教徒で、日常生活においても謙虚で他者への配慮がなされています
7位:インドネシア 173,613人
バリ島などで有名な、日本人にとって人気の観光地であるインドネシア。インドネシア出身の方は、ここ数年でも増加率が高いです。
日本では建設業、製造業、農業、介護などの分野で労働力不足がつづいており、インドネシア人の労働者にとってはこのような業界でとくに雇用機会は多いです。特定技能ビザなどは一定条件を満たせば日本国内で働けるため、日本で働く魅力が高まっています。
国民性
- 楽観的でポジティブ:相互扶助の意識が強く、心遣いがある、とても優しい
- 帰属意識が強い:家族を大事にしたり目上の人を敬う姿勢を持つ方が多い
▼以下の記事でも詳しく紹介しています
6位:ネパール 206,898人
日本政府により、2012年ごろからとくにネパール出身の留学生に対して在留規制が緩和されました。
現地の斡旋業者も数が多く、そのサポートのもとで、祖国より賃金の高い日本で就職することを目的に来日する若者が増えています。
ただ漢字をはじめとする言語の壁が大きく、高い渡航費や留学の甲斐もなく就職できず、借金返済のためにアルバイトをする人が増えている問題もあります。
▼以下の記事でも詳しく紹介しています
国民性
- 礼節を重んじ、年長者を敬う、勤勉な国民性
- 信仰心、愛国心が強い
5位:ブラジル 212,325人
在留の資格取得がきびしくなる中で、日系の外国人は許可が簡単に降りるようになったことが、ブラジル人が多く在留するようになった理由です。
さらに日系三世までは「定住者」として認められ、日本において職業選択の自由を手にしました。
あらゆる職種で仕事ができますが、とくに多いのは製造業です。
鈴鹿など国内でも大都市近郊の工業地帯には、とくに多くのブラジル人が定住しています。
国民性
- ラテン系の性格で陽気、マイペース、時間に比較的ルーズ
- 小さいことは気にしない
- 家族や友人を大切に考えている人が多い
4位:フィリピン 332,293人
1970年代以降、多くのフィリピン人が日本に在留しています。
アジア諸国の中でも「地理的近さ」という点で来日しやすいのがフィリピン人が多い理由のひとつです。
特に日本で働くフィリピン人が多い業界としては、「製造業・工場労働」「IT・技術職」「サービス業」「介護・看護職」などがあげられます。
日本とフィリピンのあいだには経済連携協定(EPA)による枠組みがあり、フィリピン人看護師、介護士は積極的に受け入れがなされています。
▼以下の記事でも詳しく紹介しています
現在では日本人と結婚して家庭をもち、さらに祖国の家族を日本に呼ぶというかたちで、フィリピン人の人口は増えつづけています。
国民性
- 親切、丁寧でホスピタリティにあふれている
- 時間に対してはあまり厳格ではない人もいる
3位:韓国 411,043人
第二次大戦後にそのまま特別に在留しつづけた韓国人に加えて、少し前の韓流ブームによって来日する韓国人は増加しました。
地理的にもっとも近い隣国で、文化や風土も似ていることから、在留だけでなく観光目的の方も増えています。
新大久保を中心として、韓国料理屋さんや韓国雑貨の店で働く人は多いです。もともと日本にいる韓国人のつてで来日するケースが多いようです。
またITエンジニア、韓国語や英語の教師、外資系企業の社員や管理職、医療・福祉分野での需要が増加しています。
- 年長者や家族を敬う:儒教に基づく思想が根付いているので、上下関係がしっかりしています
- 競争心が強くて負けず嫌い
- 身内を大切にする
▼以下の記事でも詳しく紹介しています
2位:ベトナム 600,348人
2013年頃から、日本に在留するベトナム人は急速に増加しました。
東日本大震災や福島第一原発事故により、2011年以降中国人残留者が急速に減少し、それに代わる海外からの若い労働力を確保しようと日本政府がベトナム人への規制を緩和したためです。
国民性
- 勤勉で温厚
- 繊細
- 向学心が旺盛で、母国語以外でも高い語学スキルを持っている
▼以下の記事でも詳しく紹介しています。
1位:中国 844,187人
中国が国別在留外国人1位です。
日本国内の中華街の多さ、中華料理屋さんの多さをみると想像に難くないですね。
技能実習生と留学生が、その大半を占めています。
働いている業界としては、生産工程従事者(30%)、サービス職業従事者(11%)、販売従事者(8%)、農林漁業従事者(4%)の順番で多いです。
これから働くことを前提に、国内の大学に留学している中国人は国べつにみてももっとも多いです。
国民性
- 実利主義:現実的かつ実利的な考え方が一般的で、ビジネスや個人生活でも成果を重視する傾向があります
- 同族意識が強い:儒教思想に根づいているお国柄、家族や親類を大事にするという考えから、大事な仕事を任せる場合には同族を選ぶ傾向にあります
在留外国人と働くうえで気をつけるポイントは?
日本には多くの在留外国人の方がいらっしゃいます。
ここでは外国人の方と一緒に働くうえで、知っておくべきポイントをまとめました。
しかし一括りに「外国人」といっても、それぞれの国によって国民性が異なるだけでなく、日本人と同じように個人によって性格や考え方なども異なります。
そのため外国人採用に関しても、ひとりひとりの人として接することが重要になってきます。
在留外国人の国民性や日本で働く背景を理解できましたか?
日本も決して単一民族の国という訳ではありませんが、島国ですので同質性が高い時代が長くつづいていました。
しかしここ10年では日本を訪れる外国人も増え、また日本に住んでいる外国人も増えました。
今後も社会が「日本人だけの同質性の高い状態」に戻ることは考えにくいです。
そういう意味で、日本人にとっては新しい価値観が必要とされる時代になっているともいえます。
世界中で基本的に労働力は足りていないため、諸外国から日本に働きに来てもらうには、日本の社会自体が変化していき、よりこれまで以上に他者理解が求められることでしょう。