2024年、日本に住む外国人の数が過去最多の376万人を超えました。
「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」といった働くための在留資格に加えて、家族と一緒に暮らす人や留学生など、さまざまな立場の外国人が増えています。

この記事では、出入国在留管理庁の最新データをもとに、国籍別の在留者数ランキングTOP20をまとめました。上位10カ国については、それぞれの国の特徴や採用時に意識したいポイントもわかりやすく紹介しています。

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在留外国人数の国籍・地域別ランキング(2024年末時点)

2024年の年末時点で、日本に住んでいる外国人の数は376万8,977人となりました。
以下は、出入国在留管理庁が公表したデータをもとにまとめた、国籍・地域別の在留者数ランキングTOP20です。前年(2023年末)との増減も、あわせて確認できるようにしています。

順位国籍・地域人数(人)前年比増減(人)
1中国873,28651,448
2ベトナム634,36169,335
3韓国409,238-918
4フィリピン341,51819,472
5ネパール233,04356,707
6ブラジル211,90767
7インドネシア199,82450,723
8ミャンマー134,57448,028
9台湾70,1475,484
10アメリカ66,1112,703
11タイ65,3983,627
12スリランカ63,47216,523
13インド53,9745,139
14ペルー49,247133
15バングラデシュ35,0737,111
16パキスタン29,6474,313
17カンボジア26,8273,077
18朝鮮23,206-1,099
19モンゴル21,2401,750
20イギリス21,1391,230

なお、この中でも上位10カ国に注目し、それぞれの国の特徴や、外国人を採用する際に知っておきたいポイントについて、次のセクションで詳しく紹介していきます。

参考:出入国在留管理庁 令和6年末現在における在留外国人数について

上位10カ国の特徴と採用のヒント

在留外国人の構成比を見ると、日本で活躍している人たちの傾向がよくわかります。
ここでは、2024年末時点で在留人数が多い上位10カ国について、それぞれの文化的な背景や採用時に意識したいポイントを紹介します。

1位:中国(在留数873,286人|前年比+51,448人)

中国の国旗

特徴と傾向

中国からの在留者は最も多く、永住者(約34万人)や留学生(約14万人)が大きな割合を占めています。技人国ビザで働く人も約10万人にのぼり、さまざまな業界で活躍中です。
日本語が堪能な人も多く、ビジネスマナーに関しても理解が早いケースがよく見られます。

採用のヒント

在留資格に自由度がある人が多く、転職のハードルが低い分、定着には信頼関係づくりが大切です。
上下関係よりも成果や論理性を重視する傾向があるため、一人ひとりの意見を尊重する風土が合いやすいでしょう。

参考:外務省 中華人民共和国 基礎データ

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2位:ベトナム(在留数634,361人|前年比+69,335人)

ベトナムの観光写真

特徴と傾向

近年大きく増えており、技能実習(約21万人)や特定技能(約13万人)、技人国(約11万人)など、働く目的の人が多いのが特徴です。母国で日本語を学んでから来日する人も多く、まじめで誠実な姿勢が日本の職場でも評価されています。
家族や目上の人を大切にする文化があり、礼儀正しさも目立ちます。ただ、日本特有のあいまいな指示にとまどう場面もあるようです。

採用のヒント

「はい」と返事をしても、実は内容を理解していないケースがあるため、確認しながら丁寧に伝える姿勢が大切です。信頼関係を築くには、年齢や上下関係に配慮しましょう。
また、ベトナムでは技能実習や特定技能の送り出し制度が整っており、これらの在留資格での採用手順は比較的スムーズに進みます。

参考:外務省 ベトナム 基礎データ

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3位:韓国(在留数409,238人|前年比−918人)

韓国の夜景

特徴と傾向

韓国籍の在留者は「特別永住者」が約24.8万人と大きな割合を占め、日本に住む韓国人のおよそ6割を占めています。これは、戦前から日本に暮らしている在日コリアンやその子孫に認められる在留資格で、日本独自の制度です。
そのほか、永住者(約7.6万人)や技人国(約2.6万人)などの在留資格で働く人、留学生(約1.4万人)なども含まれています。
日本語の不自由が少なく、生活や職場環境にもなじみやすい人が多いのが特徴です。ただし、上下関係や年功序列に対する考え方には、日本と違った価値観が見られることもあります。

採用のヒント

個人の判断や対話を大切にする人が多いため、柔軟な対応ができる職場環境が向いています。通訳や翻訳などの言語系、理系の専門職にも多く見られ、日本人と同じ基準で評価・選考することも可能です。
外国人として特別扱いせず、フラットに接すると信頼につながりやすくなります。

 

参考:外務省 大韓民国 基礎データ

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4位:フィリピン(在留数341,518人|前年比+19,472人)

フィリピンの観光写真

特徴と傾向

永住者(約14万人)や定住者(約6.2万人)の割合が高く、日本に長く住んでいる人が多い国です。技能実習生(約4万人)の送り出しも活発で、介護・医療・接客などの分野で広く活躍しています。
英語力に加え、明るくフレンドリーな性格が評価されることも多く、職場の雰囲気づくりに貢献する人材としても注目されています。フィリピンでは、海外で働くことが一般的なキャリアの一つとされており、多文化環境への順応力が高い点も特徴のひとつです。

採用のヒント

対話力や思いやりのある接し方は大きな強みですが、日本語に自信のない人も一部にいます。
やさしい日本語や通訳のサポートを取り入れると、スムーズなコミュニケーションにつながります。介護分野での実績も多く、キャリアアップを見すえた長期的な支援が有効です。

参考:外務省 フィリピン 基礎データ

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5位:ネパール(在留数233,043人|前年比+56,707人)

ネパールの観光写真

特徴と傾向

留学生(約8.5万人)や家族滞在(約6万人)の割合が多く、若い世代が目立ちます。日本語学校や専門学校を経て、技人国や特定活動に移行する人も増加中です。
ヒンドゥー教を信仰する人が多く、協調性があり、おだやかな人柄が特徴です。

採用のヒント

日本語やビジネスマナーに不安がある人もいますが、丁寧な初期教育をおこなうことで定着率を高めることができます。
ネパール人同士のつながりも強いため、同じ国籍の先輩がいる環境があると安心感につながるでしょう。

参考:外務省 ネパール 基礎データ

ネパール人の性格と特徴をわかりやすく解説!仕事でのコミュニケーションのコツ、文化や国民性を理解しよう

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6位:ブラジル(在留数211,907人|前年比+67人)

ブラジルの観光写真

特徴と傾向

永住者(約21万人)や定住者(約7.1万人)の割合が高く、在留資格の制限が少ないのが特徴です。なかでも日系ブラジル人の存在は多く、日本語にふれる機会があった人や、日本の文化に馴染みのある人も少なくありません。
ただし、日本語の理解度は家庭や育った環境によって大きく異なり、話せる人もいれば、そうでない人もいます。

採用のヒント

自由で実質的な関係性を大切にする傾向があり、フラットで仲間意識のある職場が向いています。長期的に日本で暮らす人が多いため、長期的に働ける人材を求める企業にとっては、心強い存在になるでしょう。
敬語や形式にこだわりすぎず、実直な関わり方が定着の決め手になります。

参考:外務省 ブラジル 基礎データ

ブラジル人はどんな仕事が好き? 国民性、ブラジルでいま人気の仕事、民族の割合などについても解説します!

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7位:インドネシア(在留数199,824人|前年比+50,723人)

インドネシアの観光画像

特徴と傾向

技能実習(約10万人)や特定技能(約5.3万人)で働いている人が多いです。礼儀正しく素直な性格が特徴で、職場でもまじめに取り組む人が多く、日本の企業からも高い評価を受けています。
イスラム教徒が大半を占めるため、食事の制限や礼拝時間などへの配慮が必要な場面もあります。

採用のヒント

宗教や生活習慣に対して理解を示すことで、信頼関係を築きやすくなります。ラマダンなどの宗教行事では、就労時間や食事の時間に柔軟に対応すると、より安心して働いてもらえるでしょう。
インドネシアも送り出し機関の体制が整っているため、技能実習や特定技能における採用の流れは比較的スムーズです。

参考:外務省 インドネシア 基礎データ

インドネシア人はどんな性格?日本で働く若者が増加している理由、一緒に仕事をするときに気をつけたいこと

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8位:ミャンマー(在留数134,574人|前年比+48,028人)

ミャンマーの観光画像

特徴と傾向

技能実習(約3.5万人)、特定技能(約2.7万人)、特定活動(約2.3万人)など、就労系の在留資格が中心です。穏やかでまじめな性格の人が多く、手先の器用さや丁寧な作業ぶりが職場でも評価されています。

採用のヒント

母国の政情不安などを背景に、日本で働く意欲の強い人が多いです。
ただし、日本語の学習機会が限られていることもあるため、やさしい言葉や実演を交えた説明が必要になる場面があります。安心して働ける環境を整えることで、長く活躍してもらいやすくなるでしょう。

参考:外務省 ミャンマー 基礎データ

ミャンマー人の性格や特徴は? 文化、宗教、政治的な側面、採用する際のメリット・デメリットも解説

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9位:台湾(在留数70,147人|前年比+5,484人)

台湾の観光画像

特徴と傾向

永住者(約2.6万人)、技人国(約1.6万人)、留学生(約7千人)など、在留資格は多様です。親日的な文化があり、日本語を学んでいる人もたくさんいます。
ビジネスマナーや生活習慣も日本と近いため、文化的なギャップが少ないのが特徴です。

採用のヒント

日本語でのやり取りに不安が少なく、職場への適応も早い傾向があります。事務職や管理部門などのホワイトカラー職でも力を発揮しやすく、即戦力として活躍する人も少なくありません。
繁体字圏の市場に関わる業務や、インバウンド需要への対応を考えている企業にも相性が良いです。

参考:外務省 台湾 基礎データ

台湾人の特徴は? 親日文化や国民性・働き方について解説

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10位:アメリカ(在留数66,111人|前年比+2,703人)

自由の女神

特徴と傾向

永住者(約2万人)や技人国(約9千人)として働く人が多く、理系やビジネス分野の専門職で活躍しているケースが目立ちます。たとえば、エンジニア、データサイエンティスト、コンサルタントなどの職種で採用されることが多く、語学力と実務力の両方に強みを持っています。

アメリカでは自主性や論理的な思考を重視する教育が行われているため、日本の職場文化との違いにとまどうこともありますが、自分の意見をはっきり伝えられる人が多い点は大きな特徴です。

採用のヒント

「言われたことをやる」よりも「自分で考えて動く」スタイルを好む人が多いため、裁量のある働き方が向いています。明確な評価制度やオープンなコミュニケーションの場を整えることで、本来の力を発揮しやすくなるでしょう。
グローバル展開やデジタル分野に力を入れている企業にとって、貴重な戦力となる人材です。

参考:外務省 アメリカ合衆国 基礎データ

国民性に頼りすぎない対応が大切

多様性や国際協力、グローバルなつながりのコンセプト画像

外国人を採用するとき、出身国ごとの傾向を知っておくのは有効です。ただし、国籍や文化の違いだけを基準に判断してしまうと、思わぬ誤解やすれ違いにつながることもあります。
ここでは、採用の現場で意識しておきたい視点を、3つのポイントに分けてお伝えします。

「◯◯人だからこう」と決めつけない

「ベトナム人はまじめ」「ブラジル人は明るい」など、国ごとの印象には一定の傾向があります。ただ、それだけで全員を語ることはできません。
人の性格や考え方は、家庭環境や学びの中で育まれるものです。国籍にとらわれず、その人自身をよく見て関わることが、信頼関係を築く第一歩になります。

言葉づかいや反応をそのまま受け取らない

文化が違えば、言葉の受け取り方や態度の意味も変わります。「はい」と返事をしていても、実は理解していないケースもありますし、遠慮して本音を言えないこともあります。
うなずいたから伝わったと思い込まず、図や実演を使った説明をはさむなど、すれ違いを防ぐための工夫を取り入れましょう。

受け入れる側の姿勢が、働きやすさを左右する

外国人社員が安心して力を発揮できるかどうかは、個人の努力だけでは決まりません。
「相談しやすい雰囲気があるか」「ルールが明確に伝わっているか」「日本人社員との間に目に見えない壁がないか」といった環境づくりが大きく影響します。

特別扱いするのではなく「同じ職場で働く仲間」として自然に接することが、安心して働ける空気につながっていきます。

さいごに

在留外国人の数は年々増えており、2024年にはついに376万人を超えました。
国籍の内訳も変化していて、技能実習や特定技能だけでなく、永住者や留学生、高度人材など、働き方の多様化が進んでいます。

今回紹介したように、国ごとの特徴や在留資格の違いを知っておくと、採用時の不安が減り、現場とのミスマッチも防ぎやすくなります。
ただし、何より大切なのは「国籍」ではなく、「その人自身」と向き合う姿勢です。文化や考え方の違いがあることを前提にしつつも、相手の背景や価値観を尊重する姿勢が、長く安心して働ける職場づくりにつながります。

外国人採用に関わる皆さんにとって、この内容が実務のヒントになれば幸いです。

採用したあと、どう関わればいいか悩んでいませんか?

「何度説明しても伝わらないのはなぜ?」「すぐ辞めてしまうのは、こちらの対応に原因があるのかも…」
外国人材の受け入れを進める中で、そんなふうに不安を感じたことはありませんか?

文化や価値観の違いによって起きる「すれ違い」は、伝え方やサポートの工夫によって減らしていくことができます。

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